【紀元曙光】2020年10月18日
他社メディアの報道だが、どうしても気になるので申しておく。
▼沖縄県の尖閣諸島をめぐる問題について、16日夜のBSプライムニュースに出演した中国の孔鉉祐(こうげんゆう)駐日大使は、「しっかりとした危機管理。これ以上エスカレートしないよう、それぞれ(日中双方)がやるべきことをちゃんとやるべきだ」と述べた。
▼日本語がお上手なのは、まことに結構である。だが、この孔大使の言葉には、対日交渉の場面で中国側(つまりは中共)が長年つかってきた「妖し(あやし)」のテクニックが顕著に見られる。日本のテレビ視聴者は、ご注意いただきたい。
▼当然ながら、現職の中国大使が日本の報道番組に生出演するにあたっては、準備の段階で、反町キャスターが投げる質問などが事前通告されているであろう。そうでなければ中国大使は出演しない。その証拠に、孔大使の口から出た先述の日本語は、いかにも「用意してきました」という響きの回答である。
▼東シナ海の尖閣をめぐる日本の領土領海について、そもそも問題でないものを「問題化」させているのは中国側である。それを孔大使は「これ以上エスカレートしないよう」と責任の所在をごまかし、「日中双方で努力を」とすりかえてくる。おいおい、ちょっと待て。
▼かつての中共の常套句は、「中日で共同開発して、ウィンウィンの関係になりましょう」だった。昔それにコロっと騙された日本の首相がいて「日中の友愛の海にする」などと妄言をはいたが、その人はどこかへ消えた。2020年の今、中共の釣針のエサに、よもや引っかかるまい。
関連記事
がんは「どこにできたか」より「どんな遺伝子異常か」で治療が変わる時代へ。がん種横断治療の考え方と代表マーカー、限界点を整理します。
人工甘味料飲料も糖質飲料も、脂肪肝の発症リスクを高める可能性があることがヨーロッパの大規模研究で判明。毎日の飲み物の選択が肝臓の将来を左右します
痛みや不眠、ほてりまで処方が広がるガバペンチン。本当に万能薬なのか、それとも見過ごされがちなリスクがあるのか。急増の背景と最新研究から、その実像に迫ります。
しっかり寝ても取れない重だるさや頭のもやもや。その正体を中医学の「湿気」から読み解き、体を軽く整えるためのサインの見分け方と、今日からできる自然な対処法を紹介します。
高級ブランドよりも、静かな時間とプライバシーが富の象徴に。スーパー富豪たちの価値観は、いま大きく変わっています。見せびらかさない「本当の豊かさ」の正体に迫る一編です。