【紀元曙光】2020年10月30日

韓国の大統領は、何やら大変らしい。辞めた数年後には逮捕・起訴され、被告席に座らねばならないのだ。

▼韓国第17代大統領でありながら2018年3月に逮捕。同4月に起訴された李明博被告。上告審で韓国の最高裁である大法院が第二審を支持し、2020年10月29日、懲役17年の実刑判決が確定した。主な罪状は横領・収賄。要するに、よくある汚職である。

▼日本人には不思議でならない「恒例行事」だ。コリア・レポート編集長でジャーナリストの辺真一氏が2018年3月に書いた「韓国の歴代大統領はなぜ哀れな末路を辿るのか?」を読むと、実によく分かる。

▼辺氏は言う。「韓国の大統領史はまさに前任者が後任に裁かれるという歴史でもある。後任者が支持率を上げるために、あるいは自らのクリーンさをアピールするために前任者をダーティなイメージとして血祭りにあげる。換言すれば、前職大統領は後任大統領のスケープゴートになっていると言っても過言ではない」。その上で辺氏は「問題はこの伝統、慣習を韓国国民が寛容していることだ」としている。

▼司馬遼太郎さんが「東洋的腐敗」と『街道をゆく』に書いていた。東アジアの儒教文化圏に普遍的に見られる現象で、タテマエの儒教倫理の裏側には「汚職をするのが当然」という構造が常に存在する。韓国のみならず、台湾にももちろんある。

▼日本にもあるが、不正の金額は微々たるものだという。評論家の石平氏が、どこかの動画で笑いながら言っていた。「田中角栄さんの収賄が、たった5億。ははは、中国の汚職は兆の単位ですよ」。

▶ 続きを読む
関連記事
なぜ私たちは、気づかぬうちにネガティブ思考の渦に飲み込まれてしまうのか。脳科学と最新研究から「絶望のループ」の正体をひもとき、抜け出すための具体的なヒントを探ります。
101歳で運転も世界旅行も現役──栄養学者が語る、遺伝ではなく「7つの生活習慣」こそが長寿の鍵。誰でも実践できるシンプルな秘訣が詰まっています。
毎日使う鍋や食器が、知らずに体へ影響しているかもしれません。がんを克服した教授が実践する「無毒キッチン」の知恵を通して、今日からできる安心な選び方と食習慣を学べる一編です。
金価格が高止まりする中、富裕層は地金を保管するだけでなく、貸し出して収益を得る動きを強めています。金で利息を受け取るゴールドリースは、インフレ対策と資産活用を両立する手法として注目されています。
自閉症は一つではなかった――。最新の国際研究が、早期診断と遅発診断で遺伝背景や発達経路が異なることを解明。支援やスクリーニングの在り方を見直す重要な知見です。