【紀元曙光】2020年11月13日
名君とされる唐の太宗。その側近に魏徴(ぎちょう)という忠臣がいた。
▼魏徴は、率直なる諫言をもって主君の過ちを正した。太宗もまた、耳の痛いその言葉をよく受け入れた。これにより唐王朝は栄え、大輪の花のごとき最盛期を迎えることになる。
▼皇帝への諫言は、逆鱗に触れれば死罪となる命懸けの使命である。時代は下って明(ミン)朝になると、皇帝の独裁権が肥大化して、すさまじい恐怖政治になった。そうなると、皇帝におもねる寵臣は多くいたが、唐の魏徴のような忠臣は出なくなる。なにしろ、まともな進言をすると、即刻処刑されるのだ。
▼そんなことを、ふと思った。中国の皇帝とは全く異なるが、日本の政治の長は内閣総理大臣であり、今は菅義偉氏がその任にある。小欄は、野党と同じような政権批判を菅総理に向けるつもりは毛頭ない。ただ、聞けば、外務省内にも「総理が会見すべき相手は、トランプ大統領ですよ」という声があったというではないか。
▼なぜ、その「忠臣」の諫言に総理は耳を貸されなかったか。それ以外の声も組織内にあったのだろうが、やはり判断を誤った責任は菅総理に帰結される。バイデン氏の不正が暴かれて、米国の情勢が「トランプ大統領の再選」へ逆転した場合、もはや日本政府は合わせる顔がない。「スガよ。お前、俺を裏切ったな」。そう言うか否かは、知らないが。
▼この誤判断が招いた利敵行為のツケは、あまりに重い。中共を解体させるトランプ氏。中共との妥協的関係に収めようとするバイデン氏。中共は今、明確な反応を見せず、腹の底で高笑いしている。
関連記事
身近な卵が、実は脳や筋肉、目の健康まで支える完全栄養食だと知っていますか?最新研究と実用的なコツから、卵の本当の力と毎日の取り入れ方を分かりやすく紹介します。
第一次世界大戦の塹壕で、敵同士の兵士が同じクリスマスの賛美歌を歌い、銃を置いた夜があった。天使ではなく、人の声が「地に平和あれ」を響かせた奇跡の物語
冬の冷えで不調を感じやすい季節に。中医学の考え方から、腎を温め心と脳を守る「にらラーメン」を解説。身近な食材でできる、冬の養生をやさしく学べる一編です。
抗うつ薬は本当に「脳の不調」を治しているのか。元FDA医師が、化学的不均衡説の限界と長期投薬のリスクを指摘し、うつ病治療を根本から見直す必要性を訴えます。
なぜ私たちは、気づかぬうちにネガティブ思考の渦に飲み込まれてしまうのか。脳科学と最新研究から「絶望のループ」の正体をひもとき、抜け出すための具体的なヒントを探ります。