東京五輪開催へ準備、「希望と勇気届ける」と菅首相=施政方針演説

[東京 18日 ロイター] – 菅義偉首相は18日の施政方針演説で、今年7月に開幕予定の東京五輪・パラリンピックについて「感染対策を万全なものとし、世界中に希望と勇気を届けられる大会を実現するとの決意のもと、準備を進める」と述べた。コロナ後を見据えて「ポストコロナの国際秩序づくりに指導力を発揮していく」との考えも強調した。

首相は、コロナ対応に万全を期すとともに「グリーン」と「デジタル」を新たな成長の原動力にする考えを示し、コロナ禍で延期となった国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の再開までに「意欲的な2030年目標を表明し、各国との連携を深めながら世界の脱炭素化を前進させる」と語った。

日米同盟を巡っては「外交・安全保障の基軸で、インド太平洋地域や国際社会の自由、平和、繁栄の基盤だ」との考えをあらためて示した。バイデン次期大統領との早期の会談を通じて「日米の結束をさらに強固にする。新型コロナや気候変動などの共通課題で緊密に協力する」とも語った。

一方、安定した日中関係が「両国のみならず、地域、国際社会のためにも重要」との認識も併せて示した。

安全保障分野に関しては「領土、領海、領空、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは最も重い使命」との認識を示し、「ミサイルの脅威に対応するため、イージス・システム搭載艦を整備するとともに、抑止力の強化について引き続き政府内で検討を行う」とした。

朝鮮労働党の金正恩委員長とは「条件を付けずに直接向き合う決意に変わりない」と述べた。日朝平壌宣言に基づき「拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指す」との考えも重ねて示した。

日韓関係については「非常に厳しい状況にある」との認識を示し、「健全な関係に戻すためにも、わが国の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めていく」と語った。

経済成長に向けた取り組みでは、最低賃金について「雇用にも配慮しながら継続的な引き上げを図り、経済の好循環につなげる」と語った。

地域経済の核となる地域金融機関の経営基盤強化に向け、「統合などの支援を日銀とも連携しつつ進める」とも述べた。

(山口貴也)

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