ゴーン被告逃亡支援の2容疑者、米地裁が日本引き渡し認める

[ワシントン 28日 ロイター] – 米マサチューセッツ州ボストンの連邦地方裁判所は28日、日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告の逃亡を支援した容疑者の男2人について、日本への引き渡しを認める判断を下した。

この2人は、米陸軍特殊部隊グリーンベレー元隊員のマイケル・テイラー容疑者と息子のピーター・テイラー容疑者。

2人は昨年5月、日本の要請を受けて逮捕された。米国務省が10月に日本への引き渡しを承認したが、両容疑者の弁護士が異議を申し立て、ボストンの連邦地裁が移送手続きの保留を命じていた。

両容疑者の弁護士は、保釈中の人物の逃亡を手助けする行為は日本では訴追対象にならないほか、日本側に引き渡された場合、執ような尋問や拷問(ごうもん)にさらされるなどと主張した。

ゴーン被告も裁判所に提出した文書で、こうした立場を支持。自身が日本で長期勾留や精神的な拷問にさらされたとし、テイラー親子も「同様の、もしくはさらに劣悪な状況」に置かれると主張した。

これに対し、ボストン連邦地裁のタルワニ判事は、両容疑者が劣悪な環境に置かれる可能性があるとしても、引き渡しを阻止するには不十分だと指摘した。

また「テイラー親子が犯したとされる行為が、引き渡しに値する罪であることを(米当局は)十分に立証した」と述べた。

日産やワシントンの日本大使館のコメントは得られていない。

*内容を追加しました。

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