【医学古今】

小児鍼灸

鍼灸治療法は子供の病気にも適用し、多くの場合、非常に良い効果が得られます。

 子供に鍼灸をする場合、最初は恐怖心を取り除いてあげるのが重要です。子供だけでなく、大人でも「鍼」と聞いただけで、怖がる人は少なくありません。まして子供はなおさらです。勇気を持って鍼に挑戦する子供には、痛みのない鍼灸を施すことを心がけています。

 現在、日本で使われている「小児鍼」は、体を刺すのではなく、ただ皮膚を摩擦して治療する方法です。この方法では、痛みが生じません。一方、中国では普通の鍼を刺して治療する場合が多いので、治療中に泣く子供が多いのです。

 私は、小児に対しては七分灸、温灸、皮膚鍼、普通の鍼を組み合わせて行なっています。子供たちが怖がらずに受け入れられる治療を最優先しています。実際は、恐怖心が取れた後、普通の鍼で治療することもあります。もちろん、刺激量は常に子供の反応に合わせて調節しています。

 子供は大人より鍼灸治療の効果が現れやすく、治療後にすぐ症状の改善が見られる場合が多いのです。しかし、体質改善をめざし、同じ症状が繰り返して現れないようにするためには、しばらく治療を継続することが必要です。
 

(漢方医師・甄 立学)