3月30日、ミャンマーのヤンゴンでは、軍事政権に抵抗する市民が道路にゴミや石などを散乱させた(STR/AFP via Getty Images)

ミャンマー軍事政権の暴虐 治安部隊が114人超の民間人を殺害

ミャンマー軍のデモ隊に対する残忍な弾圧により、2021年3月27日のミャンマーの国軍記念日に114人以上、翌日には少なくとも12人を超える民間人が死亡した。独立系の人権監視団体「政治囚支援協会(AAPP)」の報告によると、2月1日のクーデター発生以来、弾圧による累計死者数は510人に上っている。

複数の報道機関が伝えたところでは、国軍記念日と翌日の2日間にわたる大虐殺により、国内40か所以上の都市や町で少なくとも126人が死亡している。犠牲者の中には5歳の少年1人、13歳の少年2人、14歳の少女1人の児童が含まれる。AP通信が報じたところでは、駐ミャンマーEU(欧州連合)大使は「今回のミャンマー第76回国軍記念日は、恐怖と不名誉の日として歴史に刻まれることになるであろう」とツイートしている。また、「児童を含め、非武装の民間人を殺戮するという行為に弁護の余地はない」と付け加えている。

2021年2月1日のクーデター発生以来、ミャンマーで最悪の流血事態が発生した状況を受け、「ぞっとした」と述べた米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、「勇敢なミャンマーの人々は国軍による恐怖政治を拒絶している」とツイートしている。 ロイター通信によると、全国各地で犠牲者等の葬儀が営まれる中、3月28日になっても抗議活動は静まることなく続いている。

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