(China Photos/Getty Images)
≪医山夜話≫(39)

病と四季、四時との関係

中国古代の医学書『黄帝内経』によると、万病は乾燥、湿気、寒さ、暑さ、風雨、節度のない性生活、喜怒、飲食と住居の不調和から生じ、病気にかかると、ほとんどの場合、午前と昼間は比較的に体調が良く、夕方から症状がひどくなり、夜になるとさらにひどくなるといいます。

 その根拠は一体何でしょうか。 古人は「天人合一」、つまり人の体調は気候と関係があると考えていました。春夏秋冬、それぞれの季節によって、人が病気にかかる理由も異なります。春は生成、夏は成長、秋は収穫、冬は収蔵の季節といい、人の「気」も「春生、夏長、秋収、冬蔵」に反応しています。一日の中でも、朝から夜まで、四季と同じように性質が違うのです。一日を四季に例えると、朝は春にあたり、昼ごろは夏にあたり、夕日が沈んだら秋になって、夜中は一日のうちの冬にあたります。

 朝は体の元気が上昇するので、病気は衰退します。日中、元気は続けて上昇するので、病気はさらに衰退します。そして、夕方に太陽が沈むと、元気は衰えて病気が上昇します。夜中、元気は臓腑に入り、内側に収蔵されます。元気が収蔵されると邪気が完全に体を占領するので、この時に病気はひどくなるのです。この四時のサイクルを「旦慧・昼安・夕加・夜甚」といいます。病は四季および一日の四つの時間帯と深い関係があります。

▶ 続きを読む
関連記事
なぜ私たちは、気づかぬうちにネガティブ思考の渦に飲み込まれてしまうのか。脳科学と最新研究から「絶望のループ」の正体をひもとき、抜け出すための具体的なヒントを探ります。
101歳で運転も世界旅行も現役──栄養学者が語る、遺伝ではなく「7つの生活習慣」こそが長寿の鍵。誰でも実践できるシンプルな秘訣が詰まっています。
毎日使う鍋や食器が、知らずに体へ影響しているかもしれません。がんを克服した教授が実践する「無毒キッチン」の知恵を通して、今日からできる安心な選び方と食習慣を学べる一編です。
金価格が高止まりする中、富裕層は地金を保管するだけでなく、貸し出して収益を得る動きを強めています。金で利息を受け取るゴールドリースは、インフレ対策と資産活用を両立する手法として注目されています。
自閉症は一つではなかった――。最新の国際研究が、早期診断と遅発診断で遺伝背景や発達経路が異なることを解明。支援やスクリーニングの在り方を見直す重要な知見です。