(Photo by Lisa Maree Williams/Getty Images)

チベットの光 (35) 師父の怒号

ウェンシーは小さい頃から母親の話を聞くと、それがどんなものであれよく従ってきた。今では師母が実の母親のようになっていたので、それを毛頭疑う余地もなく、小さい頃から嘘をいったためしもなく、このように師父をだますことなど思いもつかず、しかもその結果についても考えていなかった。師母はいつもよくしてくれていたので、師母が間違いをおかすとは到底思ってもみなかったのである。

 こうして師母が教えてくれた通りに、彼は荷物をまとめ、いくばくかのツァンバ(チベット民族の主食)を手にすると、師父の見えるところで涙を拭い、去る様子を見せた。師母はそれを引き留めるふりをして、「怪力君、いかないで!今度は師父に法を伝えるように言うから、だから落ち込んだりしないで、いく必要などないから」と言った。しばらくして、それが師父の目に留まり、師父が師母に叫んだ。

 「ダメマ(師母の名)!おまえたち二人はそこで何をしとるんじゃ?」

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。