古代中国の医師(garryknight/Creative Commons)
≪医山夜話≫ (46)

人身

私は昼間、診療所で患者を治療した後、家に帰ってから治療の心得を医療カルテに書き込みます。例として挙げたケースの多くは、漢方医が持つ病気治療の効果を読者に伝えるために最も適していました。一方、多くの難病は人間の「業力」と関係しており、遠い前世から積み重ねてきた業力の大きさが病の重さを決めているのです。医者として、その因縁関係を知っていても、はっきりと患者に告げられない場合もあります。

 世の中の道徳は日ごとに低下しており、奇怪な病が増えてきました。患者も、一時しのぎの措置を取る治療法を好む傾向にあります。重病にかかり、命さえ危うい状況なのに、薬が苦い、鍼灸が痛い、病院に通う時間がないなどと訴えてきます。

 古人曰く、「未だ危うい前に命を惜しみ、未病を治す」。どういう意味なのでしょうか。危険な状態になる前に命を大切にし、病気が現れる前に治療すると言っています。他にも、「喉が渇く前に井戸を掘る」ということわざもあります。

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