ミャンマー少数民族武装組織、タイ国境付近の国軍拠点を占拠

[27日 ロイター] – タイと国境を接するミャンマー東部で27日、少数民族カレン族の武装組織がミャンマー国軍の前哨基地を攻撃、2月1日の国軍によるクーデター以降で最も激しい戦闘のひとつとなった。

武装組織「カレン民族同盟(KNU)」は、国境地帯を流れるサルウィン川の西岸にある軍の拠点を占拠したと明らかにした。

対岸にあるタイの村の住人は、夜明け前に激しい発砲が始まったと述べている。ソーシャルメディアには、森林に覆われた丘陵地で炎と煙が上がっている動画が投稿されている。

KNU渉外担当責任者によると、午前5時から6時(日本時間午前7時半から8時半)頃に前哨基地を占拠した。ミャンマー軍の拠点は焼き払われ、死者や負傷者を確認しているところだという。

一方、国軍はこの日、先週末に東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で合意したミャンマーの混乱終結に向けた提案について、「前向きに」検討すると発表した。

首脳会議は24日、国軍のミン・アウン・フライン総司令官も出席して、インドネシアの首都ジャカルタで開催。ミャンマーの危機的な状況を終わらせることで一致した。

国軍は首脳会議後初となる公式コメントで、ASEANの「建設的な提案を慎重に検討する」と表明。提案が国益にかなうかや、ASEANの目的と理念に基づいているかという点を前向きに検討すると発表した。

首脳会議では、暴力行為の停止や対話を促すためのASEANの特使派遣など5項目で合意に至った。

ただ、市民や人権保護活動家からは、軍事政権を正当化しており、アウン・サン・スー・チー氏など政治犯の釈放要求に言及していないとの批判が出ている。

*内容を追加し、写真をつけました。

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