欧州議会「コロナパスポート」の導入承認、自由移動は不透明

[ブリュッセル 29日 ロイター] – 欧州議会は29日、新型コロナウイルスの陰性やワクチン接種を証明する「コロナパスポート」の導入を承認した。夏の旅行シーズンに向け、観光客の受け入れ拡大を後押しする狙いがあるものの、入国者に対する水際対策を巡っては国によってばらつきがあり、コロナパスだけで域内を自由に移動できるかは不透明だ。

コロナパスの承認に伴い、各加盟国はパス保持者に対し、追加的な旅行制限を課さないなどの対応が求められる。欧州委員会のエリック・ママー報道官はコロナパスについて「旅行を許可したり禁止するというものではなく、新型コロナに関連する健康状態の情報になる」とした上で、入国に必要な公衆衛生措置については各国の判断に委ねられると述べた。

複数の外交筋は、PCR検査に加え抗体検査での陰性を認めるかどうかの違いや、欧州連合(EU)内で単一の入国窓口を創設することの難しさ、ワクチン接種を受けていない人に対する差別への懸念などから、EUとして完全に統一的な対策を講じることは難しいと話した。

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