コロナワクチン特許権放棄、米政権は中ロへの技術流出を警戒

[8日 ロイター] – 米国のバイデン政権は、新型コロナウイルスワクチンの特許権放棄に関連し、米国のバイオ技術が中国やロシアに流出しないよう対応策を検討している。政府関係者や業界関係者が明らかにした。

バイデン大統領は5日、途上国を支援するため、世界貿易機関(WTO)が提案したワクチン特許権の一時放棄に向けた交渉を支持すると表明した。

欧米の医薬品業界は、特許権放棄に強く反対。米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は7日、「ワクチン製造の経験がほとんどあるいは全くない企業は、われわれが生産を増やすために必要な原料を求める可能性が高く、全当事者の安全がリスクにさらされる」と主張した。

バイデン政権の高官は、人命を救うことが優先だとした上で「特許権の放棄が中国とロシアにどのような影響を及ぼすのか検証したい」と発言。

業界関係者によると、政権が製薬業界に配布した資料でも、知的財産を共有すれば、中国に対する米国の競争力が低下する恐れがあることを認めている。政権は、WTOの交渉でこうした問題に対処できるとしているが、具体的な方法は明示されていない。

関係筋によると、こうした問題への対応については、政権内の部局の間でも見解が割れている。交渉は数カ月かかるとみられている。

ホワイトハウス、米通商代表部(USTR)のコメントは取れていない。

ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンや米モデルナが開発した新型コロナワクチンには、メッセンジャーRNA(mRNA)という新しいバイオ技術が利用されており、この技術はワクチン以外の幅広い分野に応用可能とみられている。

米国の駐中国大使や商務長官を歴任したゲイリー・ロック氏は「ファイザーやモデルナは、何年も何年もかけて研究開発を進め、こうしたワクチンを開発した。中国、ロシア、インド、南アフリカなどは、根本的なノウハウを理解し、更なるワクチンの開発に利用したいと考えている」と述べた。

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