大紀元時報
≪医山夜話≫(42)

耳のツボ

2021年5月27日 06時00分

漢方医の私は職業上の習慣で、人のにいつも注意を払います。時には相手のばかり見てしまい、相手の話を聞き逃してしまいます。人間のはまるで生命の展示版のように非常に細かく正確に体の状況を反映しており、一目見れば多くの情報を得ることができます。私は時に患者に何も聞かなくても、を見るだけで病気の状況をほぼ把握してしまいます。

 にはたくさんのツボがあります。これらのツボはまるで逆さにした胎児が介の上に寝ているように、頭部を下向き、臀部を上向きにして分布しています。人間の体の各部位はみなに対応する代表点があります。を通して体のすべての部位の病理変化を観察できることも不思議ではありません。例えば、冠状動脈硬化症の人のたぶには斜めのしわが現れ、肝ガン患者は介にある肝臓の代表区に環状の窪みができ、統合失調症患者の甲(介中心部のくぼみ)には圧迫痕が現れます。たとえ歯が一本抜けただけでも、必ずに兆候が現れます。

 人体の十二経脈もに繋がっています。古典の『霊枢・口問』には、「は経脈が集まるところである」と記されています。そのため、の色、位置の高さ、厚さ、形状、硬さなどからその人の先天体質を知ることができ、の形と状態から今後の病気を察知することもできます。

 どのようにの色、形状、厚さを観察して内臓の虚実を判断するのでしょうか? 『霊枢・本臓』によると、「が小さく黒色の人は腎臓が小さく、が大きい人は腎臓も大きい。の位置が高い人は腎臓の位置も高く、の位置が低い人は腎臓の位置も低い。が硬い人は腎臓が強く、が薄い人は腎臓が弱い。腎臓が小さければ、丈夫で病気にかかり難く、腎臓が堅ければ病気に侵されにくい。腎臓が大きければ、弱くて聴覚障害か鳴りになりやすい」と記載されています。

 皆さんは恐らくご存知ないと思いますが、ツボの治療法は疼痛(とうつう、ずきずきと痛む)に対して、とても良い効果が得られます。

 ある日、歯痛を訴える患者が私を訪ねて来ました。「先生、ここ数年、歯の治療にかけたお金は家一軒でも買えるくらい……」と患者は言います。私が彼のツボに鍼を入れると、すぐさま痛みは治まり、それ以後、二度と歯痛になったことはありません。

 このような例から見ても、漢方医学は、現代の西洋医学に比べてそのレベルは低くなく、むしろ生命に対する認識は遥かに上回っているといえるでしょう。

(翻訳編集・陳櫻華)

 

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