ブラジル、妊婦へのアストラ製ワクチン接種停止 死亡例受け

[ブラジリア/リオデジャネイロ 11日 ロイター] – ブラジル政府は11日、英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンについて、妊婦への接種を全国的に停止した。リオデジャネイロの妊婦が脳卒中で亡くなり、接種との関連性が疑われるため。

保健省の当局者は記者団に対し、国家衛生監督庁(ANVISA)が同ワクチンの妊婦への使用について警告を発したことを受けた予防措置だと説明した。

現在、当局が調査を進めている。停止措置の対象はアストラゼネカ製のみで、同国で使用されている中国シノバック・バイオテック(科興控股生物技術)製と米ファイザー製には適用されない。

ANVISAによると、この妊婦は35歳、妊娠23週目だった。10日に出血性脳卒中で死亡する5日前に病院でアストラゼネカの新型コロナワクチンを接種していた。

ANVISAは「出血性脳卒中という重篤な有害事象は、妊婦に投与されたワクチンに関連している可能性があると評価された」としている。

アストラゼネカは発表文で、妊婦と授乳中の女性は新型コロナワクチンの臨床試験(治験)から除外されているとし、動物を用いた研究では妊娠や胎児の発育に害を及ぼす直接的・間接的証拠は得られていないとした。

ANVISAは同ワクチンの妊婦への接種で、他の有害事象は報告されていないとした。

ブラジルは新型コロナ感染による死者が11日時点で42万5000人を超え、世界で2番目に多い。

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