聖母子像(ディルク・ボウツ 1410-1475年頃/Metropolitan Museum of Art via Wikimedia Commons/public domain)
<オピニオン>

醜悪を追及する現代芸術

パンデミックによる世界的な混乱が続いているが、昔の生活と比べれば、我々は遥かに恵まれている。人間は常に「完璧な世界」を求めて現状を評価しがちだが、そんな世界はこれまでにも、そしてこれからも決して存在しない。

先日、私はコペンハーゲンにあるアートギャラリーの広告を見て衝撃を受けた。展覧会のタイトルは「Mother!」(母親)で、母性をテーマとする作品が並んでいる。ここでは、妊娠して静脈瘤になった母親の切断された足が何本もぶら下がっている作品については言及しない。私が注目したのは2枚の絵画である。

ひとつはディルク・ボウツ(1410~1475年頃)の『聖母子像』で、もうひとつはアリス・ニール(1900~1984年)の『ジニーとエリザベス』である。この2人の画家を隔てた500年は、乳幼児の生存率や生活水準が飛躍的に向上した時期である。

▶ 続きを読む
関連記事
トランプ政権が引き起こす2026年の世界激変を、歴史学者V・D・ハンソンが鋭く分析。イランや中南米での独裁打破と、ロシア・中国への新戦略が、米国を大戦後最大の黄金時代へと導く可能性を説く衝撃の論考
中国共産党(中共)党首・習近平がトランプの訪中延期に気を揉み続けるさなか、一つの知らせがエベレストを越えてネパ […]
経済規模でカリフォルニア州やニューヨーク州など米国トップクラスの州は中国との貿易拡大を優先し、中共の影響に迎合している結果、自州だけでなく米国全体が、世界で最も強力で危険な権威主義的影響にさらされている
イランによるホルムズ海峡封鎖に対し、米国がいかに主導権を奪還すべきかを論じる
北朝鮮が狙う「対衛星兵器」は単なる技術誇示ではない。国内を弾圧し国外を脅かす独裁体制の本質が、宇宙へと拡張された「新たな戦場」の序曲である