香港アップル・デイリー発行元の株取引停止、黎氏の資産凍結

[香港 17日 ロイター] – 香港国家安全維持法(国安法)違反で服役中の民主活動家、黎智英(ジミー・ライ)氏の資産凍結が発表され、黎氏が7割強保有する壱伝媒(ネクスト・デジタル)株が取引停止となった。ネクスト・デジタルは、資産凍結措置について発表する予定。

香港政府は14日、黎氏の資産を凍結すると発表した。ネクスト・デジタル全株式、同氏が所有する企業3社の銀行口座などが対象。上場企業が国安法の処分対象となったのは初めて。

資産凍結を受けて、ネクスト・デジタルの存続可能性に懸念が生じた。

ネクスト・デジタルは民主派の有力紙、蘋果日報(アップル・デイリー)の発行元。黎氏は71.26%株式を保有し、同社に融資をして存続させていた。

先週、資産凍結が発表される前に蘋果日報の幹部はロイターに、グループがメディア部門を他の事業部門から遮断しようとしていると述べた。ただ具体論には踏み込まず、当局には蘋果日報を「去勢」する方法があるとの見方を示していた。

17日始まった裁判所の審理で、黎氏ら10人の活動家は2019年10月1日の中国国慶節に無許可で集会を開催した罪を認めた。判決は28日に言い渡される予定。

<経営不安>

蘋果日報は15日、ネクスト・デジタルが新たに資金が注入されなければ9─10カ月しかもたないとの見方を示した。7億5600万香港ドルの株主融資が「重要な資金源」で、資産凍結措置を踏まえると、それ以上の資金調達は困難だろうとしている。株主融資は昨年9月末時点で5億香港ドルが使われている。

グループとしての銀行借り入れは昨年9月末時点で2億6230万香港ドル、純現金は2億2870万香港ドル。

蘋果日報は14日、ネクスト・デジタル傘下の台湾紙が広告収入の減少や香港の事業環境悪化で紙での発行を停止すると伝えた。

関連記事
アメリカの宇宙関連の高官は、中国共産党が太平洋上空で密かに宇宙軍を強化しており、インド太平洋地域の安全保障を脅かしていると警告している
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスの創業者で元最高経営責任者(CEO)の趙長鹏被告(47)に対し、米検察当局は23日、マネーロンダリング(資金洗浄)の罪で禁錮3年の実刑判決を求刑した。赵被告は昨年11月、反マネロン法違反の罪状を認めており、30日にワシントン州シアトルの連邦地裁で量刑が言い渡される。
全世界の若者から絶大な人気を博しているショートビデオ共有アプリTikTok。しかしアメリカでは最近、バイデン大統領がTikTokに関する新法に署名した。
中国共産党はWHOを代理人とし、米国に対する「ハサミ戦略」を始めるだろう。新たに進められているパンデミック条約がその引き金となる。
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。