タンパク質欠乏「7つのサイン」 食事改善でウイルスに強くなる

タンパク質は、人が生命を維持するため、抜けてはいけない「積み木」の一つです。皮膚、毛髪、器官、筋肉、骨格、神経など、全ての構成に不可欠なタンパク質が欠乏すれば、それこそ全身の機能を深刻に損ないかねません。自分の体のタンパク質欠乏を早期に発見し、重大な事態に至らないうちに、適切に対処することが肝要です。

タンパク質欠乏を知らせる「7つのサイン」に注意

では、それほど必要な栄養素であるタンパク質が不足すると、体にどんな兆候が現れるのでしょうか。以下の「7つのサイン」が見られたら、体内のタンパク質が不足している証拠です。すぐに食事の改善を通じて、タンパク質の補充に努めてください。

1、皮膚の状態や髪質が悪くなり、爪が割れやすくなる

タンパク質の摂取不足が数カ月間続くと、皮膚に弾力がなく、肌のつやが失われ、髪も黄色くなって抜けやすくなります。また、指の爪が割れやすくなります。

2、免疫力の低下

タンパク質は抗体を形成する主要な成分です。タンパク質を十分に摂取できなければ、免疫力が低下し、侵入した細菌ウイルスに抵抗できなくなります。

3、外傷が治癒しにくい

外傷を受けた個所は、タンパク質によって細胞や組織を合成し、再構築する必要があります。そこに十分な量のタンパク質が供給されないと、傷の治癒が遅くなるのです。

4、筋力の低下、関節痛、骨のもろさ

タンパク質は、筋肉はもちろん、骨や関節液を作るのにも必要な栄養素です。タンパク質が不足すると筋肉量が減り、力が弱くなったり、活力が低下したりします。関節部分は軟骨がこすれて削られ、激しい痛みを感じます。骨が新陳代謝によってカルシウムを吸収するには、タンパク質が必要です。食事で摂取するタンパク質が不足すると、骨がもろくなり、骨折の危険性が高くなります。

タンパク質は筋肉、骨、関節液の形成に不可欠な栄養素。筋力低下や関節痛にはタンパク質不足が原因していることがあります。(Shutterstock)

5、集中力の減退

タンパク質の摂取量が不足すると、脳の感度に影響が出ます。頭がぼーっとして判断力が低下し、長時間の集中ができなくなります。

6、空腹感を覚えやすい

体内のタンパク質が不足すると、空腹を感じやすくなります。そのとき、菓子類など高カロリーなものばかり食べると肥満の原因にもなります。タンパク質を十分に摂るほうが、体重コントロールに役立ちます。

7、浮腫(むくみ)が生じる

タンパク質の一種であるアルブミンは、血管内に水分を残すことで、皮下組織のむくみを避けるはたらきがあります。体内のタンパク質が不足すると、水分が組織内に蓄積され、腹部やふくらはぎなどにむくみが起こりやすくなります。

 

通常の食事でタンパク質を補給するコツ

毎日の食事の改善で、タンパク質を十分に摂取することができます。筋肉、皮膚、骨などが良好な状態に戻るとともに、栄養不良による免疫力の低下や、脳の鈍化による思考力の低下も改善されます。

タンパク質の補給のために、ちょっとしたコツをいくつか覚えておきましょう。朝食に、饅頭(マントウ)やトースト、ベーグルだけではタンパク質の摂取量が足りません。少なくとも卵1個を食べるか、牛乳、豆乳、ヨーグルトを加える、あるいは豆腐を添えるなどしてタンパク質を補ってください。

朝食に、適量のタンパク質を含む食品を摂ることで、血糖値が安定し、満足感を得ることができます。それは朝の思考を目覚めさせ、仕事や学習への効率を大幅に向上させてくれるばかりでなく、余分な体脂肪の蓄積を減らすことができるのです。

トーストだけの朝食はタンパク質が不足しがち。卵、牛乳、ヨーグルトなどを添えると栄養バランスが良くなります。(Shutterstock)

昼食には、肉類、乳製品、卵や豆などの高タンパク質のメニューを加えることで、満腹感と筋肉の力を保つことができます。肉は脂身の少ない部位をお勧めします。肥満防止のため、糖質や油脂によるカロリー過多にならないよう、ご注意ください。

そのほか、高タンパク食として「サラダチキンの豆腐添え」はいかがですか。皮をむいた鶏むね肉を電子レンジで加熱。スライスしてから野菜サラダに添えて盛りつけます。チーズ、豆腐、ボイルしたひよこ豆などをトッピング。お好みのドレッシングをかければ、タンパク質が豊富で低カロリーの一品が出来上がります。

日本でおなじみの枝豆は、台湾でも毛豆(マオトウ)と呼ばれて、よく食べられる食品ですが、枝豆は良質な植物性タンパク源ですね。食べ過ぎる必要はありませんが、手のひらに乗る程度を目安にして、枝豆をサラダに添えたり、お菓子の代わりに食べたりすることができます。

どの栄養素も重要ですので、バランスよく、毎日の食事のなかで適度に摂ることが肝心です。特にタンパク質は、きちんと意識して、不足しないように注意しましょう。

(文・郭怡君 翻訳編集・鳥飼聡)