大紀元時報

夏場は特にご注意を! 知っておきたい「生食のリスク」

2021年7月6日 20時30分
生卵や半熟のゆで玉子は、サルモネラ菌が繁殖しやすいので注意が必要です。(dorry / PIXTA)
生卵や半熟のゆで玉子は、サルモネラ菌が繁殖しやすいので注意が必要です。(dorry / PIXTA)

(訳者より:日本では昔から、新鮮な魚介刺身にし、ご飯に生卵をかけて食べることが通常のこととされてきました。今日では、台湾においても日本食がブームとなった影響で、寿司刺身が好まれ、すき焼きに生卵をつけて食べるなど、生食に関する意識もかなり以前とは変わってきています。本稿は、そうした食文化を否定するものではありませんが、食材を生で食べることのリスクについて、改めて注意を促すことを趣旨としています。なお、馬や牛などの獣肉を生で食べることは、日本でも一部の地域で行われていますが、本稿も指摘する通り、読者各位のご健康のために、お薦めできないことを申し添えます)

魚介類、卵、肉類は、どれも私たちの食生活に欠かせないものです。しかし、生で食べる食材には、死滅していないウイルスや菌、寄生虫がついている可能性があります。それらを加熱せずに食べると中毒を起こして、重い場合は死に至る危険性もあります。


「淡水魚を生で食べてはいけません」


刺身にする魚介類は、海で獲れるものが多いはずです。遠洋に出て獲るマグロであれば、漁獲後すぐに船内で低温冷凍して寄生虫を殺しますので、長期間にわたる航海でも保存できます。ただ、もしも魚介類に死滅していない寄生虫がついていた場合、最終的に生で食べた人が、重大な健康被害を受けることになります。


台湾高雄市にある尚文クリニック感染科の鄭元瑜医師は、「海水魚の中でよく見られる寄生虫は海獣胃線虫、広節裂頭条虫であり、食べると下痢や腹痛などの症状が現れる」と指摘します。


加えて、淡水魚は海水魚と比べて特に危険性が高いため、鄭医師は「淡水魚を生で食べてはいけません」と強調します。淡水魚は通常(台湾では)低温冷凍されず市場に出るため、寄生虫がいる確率が非常に高いからです。淡水魚(淡水で獲れる甲殻類も含めて)は必ず加熱調理してから食べてください。


獣肉類も必ず加熱してから食べる


牛肉のステーキは、お好みにより表面を軽く焼いただけのレアで食べることもあります。ただし、牛ひき肉をつかったハンバーグや、ハンバーガーのパテは、中まで完全に火を通したウェルダンでなければなりません。
ハンバーグの中心まで火が通っていなかったため、腸管性出血性大腸菌O 157:H 7が残留して、それを食べた人が死に至った事例が過去にありました。この致死性大腸菌は、牛や羊の腸管に存在しており、屠殺される際に、腸内の細菌が肉の表面に付着することがあるのです。


鄭元瑜医師は、「牛肉のブロックの中心部は、必ずしも火が通っていなくても細菌汚染の問題は少ない。しかし、機械でひき肉を作る際に、原料肉の表面に腸管出血性大腸菌が付着していた場合はリスクが生じてくる。特にハンバーグに使われるひき肉は、複数の肉が混合されていることが多いため、細菌汚染のリスクが高くなる」と指摘します。


牛は、主に飼料と干し草を食べているので、寄生虫卵を食べる確率は高くはありませんが、牛肉の供給源が不明で安全性が疑われる場合は、加熱調理して感染のリスクを最小限に抑えることをお勧めします。


豚肉の場合は、ブロック肉であれ、ひき肉であれ、必ず完全に火を通したものしか食べられません。細菌の危険性は牛肉と同様ですが、特に豚肉の寄生虫は、肉の奥深くにも存在するため、十分に加熱調理されていなければならないからです。
いずれの場合も、肉の種類を問わず、加熱調理することが望ましいと言えます。


生卵サルモネラ菌の危険性が高い


鳥類は、サルモネラ属菌に感染する可能性があり、これらを滅菌するには高温で加熱する必要があります。これらの菌による感染症に罹ると、発熱、下痢、腹痛、血便、さらには敗血症を起こして死に至る場合もあります。


そうしたことから、鶏卵を生食することは、サルモネラ菌の感染リスクを高める心配があります。(訳者注:現在、日本で市販されている鶏卵は、法令に基づく消毒滅菌処理がなされています。ただし昭和前期までは、未消毒の鶏卵の流通も一因として、サルモネラ菌等による食中毒はしばしば起きていました)。


「生食は、怖いことだらけです」


鄭元瑜医師は「生食は、本当に怖いことだらけです」と言います。


日本の食文化が歓迎されている台湾だけでなく、昔から生食が多いとされる日本においても、食の安全という観点から、特にこれから迎える夏場は、一層の注意と関心が払われても良いのではないでしょうか。


ちなみに本稿の翻訳者(鳥飼)は、まさしく「生卵をかけたご飯で育った日本人」です。ただし現在は、信仰上の理由もあって、生ものを一切口にしない食生活を送っています。もちろん健康状態は、極めて良好です。


(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)

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