【歌の手帳】古井戸や
古井戸や蚊に飛ぶ魚(うを)の音くらし(与謝蕪村)
歌意「夏のある日。古井戸のなかで、蚊を喰うため、飛び上がる魚の水音がした。井戸のなかは暗くて、目には見えないが」。
与謝蕪村(1716~1784)の句。蚊の幼虫であるボウフラを駆除するため、井戸に鮒や鯉を入れておくことは、よくあったようです。ただし、日本の鮒の場合、水から跳ね上がって空中の蚊をキャッチするのは、現実にはないでしょう。ここで蕪村は、魚の水音だけを聞いたのです。
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