大紀元時報

漢方医からのアドバイス「腎臓を守る食事療法」

2021年8月2日 21時30分
慢性的な腎臓疾患には、食事療法が最も基本的かつ有効な治療法です。(shige hattori / PIXTA)
慢性的な腎臓疾患には、食事療法が最も基本的かつ有効な治療法です。(shige hattori / PIXTA)

(読者各位:腎臓疾患のため、すでに医師や栄養士の指導を受けて食事療法に取り組んでいる方は、それを継続していただくことを第一とし、以下にご紹介する内容はご参考までに止めてください)

日本の皆様、こんにちは。

私は台湾の新北市にある漢方医院「心医堂中医診所」の院長・呉國斌です。


今日、西洋医学でも漢方医学でも、慢性腎不全を治療する最も基本的な手段は、食事療法であると認識されています。

食事療法の大きな目的は、日常における腎臓への負担を軽減して、腎臓の機能が低下する腎不全への進行を遅らせることにあります。

また実際に腎不全の段階に至っても、食事療法を効果的に行うことで、人工透析を必要とする時期を、ある程度遅らせることができます。

腎臓疾患の患者によく起きる問題は、体内の水分量とカリウムナトリウムカルシウムなど電解質のバランスの乱れ、およびタンパク質、脂肪、糖の代謝の乱れです。これらは慢性化した腎不全患者にとって特に深刻なものとなります。

そのため、これらの乱れを是正することが、治療の最も基本的な方針となります。なかでもタンパク質、カロリー、水分、塩分のコントロールが、最も肝心な点です。

肉体疲労などにより一時的にタンパク尿や血尿がみられても、腎機能が正常な人は、通常の食事をとることができます。

しかし、腎機能に異常があり、浮腫や高血圧がみられる患者は、水分および塩分の摂取を厳格にコントロールしなければなりません。その場合、塩分は1日2~3 gに制限すべきでしょう。心不全または重度の高血圧を有する患者では、塩分の摂取をより厳しく制限し、努めて「減塩食」を実行することになります。

1、 タンパク質
通常、タンパク質は人間の体に欠かせない栄養素であり、十分に摂ることが奨励されますが、腎臓疾患がある患者の場合は、「蛋白制限」と言ってタンパク質摂取量を制限する必要が出てきます。

その理由は、タンパク質を食事から摂取した後にでる老廃物である窒素代謝物を、機能が低下した腎臓が処理しきれなくなるからです。適切に「蛋白制限」を行わなかった場合、人口透析を避けられない日が近づくことは確実です。

しかし、摂取するタンパク質が少なすぎると低栄養になってしまい、体重が減り、体力や免疫力の低下を招いてしまいます。慢性腎不全の患者は、一日に体重1㎏あたり0.5~0.75 gのタンパク質を摂るのが適当です。

なお、腎不全患者の場合は、植物性タンパクよりも、良質な動物性タンパクの食材が優先されます。具体的には、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、牛乳などです。

2、熱量(カロリー)
低タンパク食を長期にわたって続けている患者は、十分なカロリーを摂取することが不可欠です。

慢性腎不全の患者は、一日に体重1㎏あたり30〜40キロカロリーを摂取します。炭水化物を主としますが、ジャガイモ、サツマイモ、春雨、山芋、長芋、カボチャなどを適宜選択してください。これらの食材は、タンパク質の含有量は低く、カロリーは高いので、非常に適しています。

長芋は非常にすぐれた健康食品で、腎臓疾患の患者にも薦められます。(grace / PIXTA)



3、塩分
許容される食塩の摂取量は、患者の病状と腎機能の程度によって調整すべきですが、日本人は一般的に塩分摂取量が多いとされていますので、高血圧の予防のために、疾病のあるなしに関わらず、塩分は控えるよう意識してください。

一般に、慢性腎不全の患者は食塩摂取量を一日5 g以下にする、とされています。

4、水分
慢性腎不全の患者の場合、水分摂取は、必ず医師の指導に従ってください。
一般的に、一日の水分摂取量は、排出する尿量に400~500 ccをプラスして、きちんと計量した水の量とします。ここでいう400~500 ccとは、主に皮膚や呼吸器から蒸発する水分を指します。

腎疾患における食事療法は、肥満や糖尿病の食事療法とはかなり異なる内容となります。なかには厳格にコントロールしなければならない項目もありますので、繰り返しますが、専門の医師や栄養士の指導にしたがってください。

日本の皆様のご健康を、台湾より祈念しております。

(文・呉國斌/翻訳編集・鳥飼聡)

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