【掌編小説】牛刀という道具 『荘子』より
東京の小田急線の車内で凶漢が刃物を振り回し、乗客10人を切りつけたという。
犯行につかった凶器は調理用の「牛刀」だと言うから、あきれ果てる。正しく使えば、これほど人を幸せにする道具はないのに、こともあろうに人を傷つけるとは何事か。
言うまでもないが、日本語では、調理につかうナイフのことを包丁(ほうちょう)という。なぜ包丁というのか。そんなことは知らなくても、きちんと料理がつくれれば良いのだが、思いもかけない反社会的なニュースがあり、しかも「牛刀」の名称が聞こえてきたので、牛刀の誇りと名誉のため、ここに一編書き残しておきたい。
関連記事
第一次世界大戦の塹壕で、敵同士の兵士が同じクリスマスの賛美歌を歌い、銃を置いた夜があった。天使ではなく、人の声が「地に平和あれ」を響かせた奇跡の物語
冬の冷えで不調を感じやすい季節に。中医学の考え方から、腎を温め心と脳を守る「にらラーメン」を解説。身近な食材でできる、冬の養生をやさしく学べる一編です。
抗うつ薬は本当に「脳の不調」を治しているのか。元FDA医師が、化学的不均衡説の限界と長期投薬のリスクを指摘し、うつ病治療を根本から見直す必要性を訴えます。
なぜ私たちは、気づかぬうちにネガティブ思考の渦に飲み込まれてしまうのか。脳科学と最新研究から「絶望のループ」の正体をひもとき、抜け出すための具体的なヒントを探ります。
101歳で運転も世界旅行も現役──栄養学者が語る、遺伝ではなく「7つの生活習慣」こそが長寿の鍵。誰でも実践できるシンプルな秘訣が詰まっています。