ナイロビ有数のスラムの1つであるムクル・スラムの住民60万人以上は、長年にわたり水へのアクセスという課題に悩まされてきた。写真は昨年3月、ナイロビ最大のスラムであるキベラで、非営利団体「シャイニング・ホープ・フォー・コミュニティーズ(SHOFCO)」が設置した給水所で撮影(2021年 ロイター/Baz Ratner)

焦点:ナイロビのスラム、「自販機」がもたらす安全で低コストの水

[ナイロビ 14日 トムソン・ロイター財団] – ジョセフィン・ムトニさん(62)がナイロビ市内のムクルと呼ばれるスラムで暮らすようになって30年。その間、きれいな水が安定して供給されることはなかった。

水を得るには、スラムの周囲に点在する水商人から買う以外に方法はなかった。だが彼らが法外な値段で販売する水は、政府が設けた給水所で仕入れるか公営水道から直接盗んできたもので、汚れていることも多かった、と9人の子どもの母親であるムトニさんは語る。

ムトニさんは、20リットルのポリタンク1杯分の水が、高ければ50ケニアシリング(約50円)すると話した。世界銀行によれば、ナイロビのスラム住民の多くは1日1.9ドル(約210円)に満たない所得で暮らしており、水がこの価格では生活が破綻しかねない。

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