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がん疲れには「体を動かすことが大切」台湾医師からのアドバイス

現在、がん療養中の患者さんと、そのご家族の皆様へ。

私は台湾の医師、林旭華と申します。
心よりお見舞い申し上げます。
今回皆様にお話しすることは、皆様のきっとお役に立つことを念頭に、がんの完治へつながるような具体的な内容になります。
 

可能な限り「運動してください」


結論から申しますと、がん患者であっても、可能な限り体を動かしたほうが絶対に良い、ということです。特に、天気の良い日は、ぜひ屋外へ出て歩いてください。家や病室から出ずに、ベッドに横になってばかりいると、それによって確実に健康が遠のくのです。

私は以前、ある医療センターに入院している大腸がんの友人を、お見舞いしたことがあります。本人は手術の前で、気が気でならず、脳が十分に休めていない状態でした。

まだ食事管理はされておらず、患者のお兄さんもそばにいたので、私が「気分転換も兼ねて3人で食事に行こう」と誘ったのですが、本人は動きたがらず、ただ横になって休みたいと言うだけでした。

私は、「君は、大腸だけに病があるが、他の器官は健康じゃないか。ずっと横になっているより、歩いた方がいい。それは万一にも、がんに負けないためにだよ」と言いました。

最後に彼は理解してくれて、3人で食事に出ました。その後で、私は彼に、昔好きだったバドミントンをするよう励ましたのです。それは、患者が免疫力を高めるための、医者としてのアドバイスでした。

私はまた、手術後の彼の筋力低下を考慮し、できるだけ早くベッドから下りて運動するよう促しました。その結果、彼の術後の経過は、予想以上に早く、良い状態になりました。
 


★気持ちを明るくするために、努めて体を動かす


がん疲れ」という疲労感は、実際あります。
がん患者は、自分がその病であることを知った後、ショックのため、しばらく「気分上の死期」に直面したような気になるのです。

実際の疼痛、および治療にともなう苦痛、さまざまな合併症とともに、がん疲れ(ガン性疲労)を発症することがあります。この疲労には、身体的疲労だけでなく、精神的疲労が多く含まれ、具体的には以下のようなものがあります。

例えば、「物忘れが激しい、集中できない、はっきりとした思考ができない」「顔が変わって、昔の自分ではないように思い、自我を失ったり、やる気が出なくなる」「いつも体が弱っていると感じる。体を横にして、動かそうとしない」などです。

がん疲労は、休息だけでは解消できないものです。むしろ心配されるのは、患者さんがベッドで横になってばかりいて、かえって病状が悪化することなのです。
このような場合、安静にするという養生は誤りであり、可能な限り運動するほうが患者の早期回復に役立つことが実証されています。


★「心を静めて座る」ことも有効ですよ


運動が可能ながん患者は、一日中ベッドで休むべきではありません。
寝るのは、夜にすべきこと。昼間は、ご自身でできる運動を行ってください。私からご紹介するのは、以下の二つです。


1、 静座
とくにお寺で行うのではないので、坐禅と言わなくても結構です。天気が良ければ、病院の庭で行いましょう。病室のベッドには、どこにいるかを看護師さんに伝えるメモを貼っておきます。

目を閉じておこなう静座は、呼吸を緩慢かつ均一にし、血液循環を順調にするとともに、病のストレスを取り除き、精神を安定させることができます。

2、 運動
運動は血液の循環を良くし、体内の老廃物を排出させ、古い細胞を更新してくれます。
無理のない、できる運動をやってみてください。ウォーキング自転車、軽い水泳ヨガ気功などの、ゆるやかな有酸素運動がお薦めです。がん細胞は、体内に新しい酸素が入ることを嫌うのです。

がん患者は、どうしても憂鬱な気分になりがちですが、研究によると、有酸素運動は軽度および中程度のうつ病の改善にも役立つことが知られています。

そのため、がん患者は必ず運動を続けて、ご自身の気持ちを良い状態に保つことが、治癒への確実な道となります。
また、適度に日光を浴びることで紫外線が肌に入り、ビタミンD3が合成されます。この物質には、抗がん効果もあると言われています。

それでは皆様、お元気でお過ごしください。

(文・林旭華/翻訳編集・鳥飼聡)