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おやつのピーナッツを楽しむために「カビ毒には注意して!」

ピーナッツと聞くと、少し古い時代のご記憶がある方なら、当時人気の高かった双子の女性歌手を思い出したり、ほのぼのとした米国の漫画のタイトルを想起したりされるかもしれません。


今でも香ばしい「ピーナッツの思い出」


では、単品の食べ物としてのピーナッツを何と呼んだかといいますと、おそらく地方によって異なりますが、東京の豆屋さんでは「南京豆(なんきんまめ)」という言い方が広く使われていました。
今では「みそピー」と呼ばれる、甘い味噌にピーナッツを合わせたご飯のおかずは「みそまめ」でした。

この南京豆が、チョコレートに入れられたり、「柿の種」というアラレと一緒に小袋に入った頃から「ピーナッツ」という呼称が主流になったように記憶しますが、その一方で、戦前戦中を知る「南京豆世代」の日本人の多くが世を去ったという側面もあります。

そのようにして、使われる日本語の名称も次第に変わってくるのだと思われます。

さて、そのピーナッツを含めて「適量のナッツ類を食べることは、健康に有益である」ということを、弊紙の各記事で多くお伝えしてきました。

したがって、ピーナッツを食べることは、今後も読者各位にお薦めしたいのですが、一つだけ、ぜひご注意いただきたいことがあります。

ピーナッツを含むナッツ類および五穀類で、古くなりカビが生えたものは、必ず避けてください。


カビ毒「アラフトキシン」は要注意!


カビ毒であるアフラトキシンは、肝がんの一種である「肝細胞がん」を引き起こす原因物質であることが、すでに知られています。

台湾高雄市にある義大病院肝臓病センター主任の許耀峻医師によると、「アフラトキシン肝臓で代謝され、その代謝産物は人体細胞のDNAを破壊し、肝細胞の損傷、突然変異、さらにはがん化を招くのです」と言います。アフラトキシン肝臓で代謝されるので、最も直接的な影響として肝がん発症が懸念されるのです。

アフラトキシン中毒には、急性と慢性の2つがあります。急性とは、例えば数週間以内に大量のアフラトキシンを誤飲または誤食することによって発症するもので、嘔吐、腹痛、けいれん、黄疸、腹水、急性肝不全などの症状があり、重篤な場合は死に至ることもあります。

これに対し慢性の場合は、長年にわたる食生活のなかで、少しずつ体内に蓄積されたアフラトキシンが病気の原因となるもので、急性症状は見られないものの、発がんなどの主要因となるのです。

台湾を例にして言うと、アフラトキシンによる急性中毒は、経済が比較的遅れている地方で多く発生しています。現地の住民は、カビの生えた主食を捨てることを惜しむあまり、「短期間に、3食ともカビの生えた主食」を食べてしまいます。

その心情を理解できないわけではありませんが、結果として、重大な疾病を招くことになるのです。

また許耀峻氏は、「台湾では、多くの人が自分で生薬漢方薬)を買い、煎じて服用しています。ところが、保存方法が適切でない場合もあり、カビの生えた生薬を飲むことでアフラトキシンの急性中毒を引き起こすこともあるのです」と指摘します。

アフラトキシンは260度以上の高温でなければ消滅しないため、煎じ薬程度の煮沸では、その毒性を消すことは不可能だと言います。


次回への教訓として「もったいないけど捨てる」


アフラトキシンが発生するものとして、以下のような食品が挙げられます、

植物性食材としては、落花生、トウモロコシ、米、麦、ハトムギ、豆類、ナッツ類、シリアル類、乾物類、香辛料、サツマイモの粉、小麦粉、塩漬け食品、植物油、醤油、漢方生薬

また動物性食材としては、牛乳・卵、鶏・アヒル・魚・牛・豚などの動物ホルモン。

これらの食品は、保存状態がわるいか、古くなりすぎてカビが生えた場合にのみアフラトキシンが懸念されるのであり、カビが生えていなければ何の問題もありません。

なお、食器である竹製や木製の箸も、古くなって劣化したものは注意が必要です。

竹箸や木箸にカビは生じませんが、十分に洗浄されていないとデンプン類が箸先に残り、そこにカビの原因となる黄麹菌(きこうじきん)が繁殖する可能性があるからです。

さて、冒頭のピーナッツに話を戻しますが、カビ防止の観点からすると、まとめて購入する場合は「殻つき」のものが良いようです。少量ならば、殻のついていない豆を買ってかまいません。
いずれにしても、味の落ちないうちに、早く食べてしまうに限ります。

「これ、いつ買ってきたのかな?」というほど古いナッツ類が、戸棚のなかから「発見」された場合は要注意です。

もしもカビが生えていたら、必ず袋ごと全て捨ててください。

カビの生えていない粒を目視で選んでも、すでに全体がカビ菌で汚染されています。ここは残念ですが、あなたとご家族の健康を守るため、あきらめましょう。

ピーナッツなどのナッツ類は、適量ならば健康にも役立ち、午後のお茶のひと時を豊かにしてくれる嬉しい食品です。

ご家族皆で、安心して楽しみたいものですね。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)