(takeuchi masato / PIXTA)

「抜け毛、白髪、どちらも防ぎたい」その原因と改善方法はこれ

どうして抜け毛が多くなったり、白髪になったり、枝毛になる人がいるのでしょうか。

「髪の健康」は後天的に改善できます

健康上の問題が、髪に影響を及ぼすには様々な要因があります。例えば、日常生活のリズムがおかしい、ストレスが多い、情緒が不安定、食事のバランスが悪い、髪を染めるなどの原因があります。

漢方医学の理論では、毛髪は腎臓と密接に関係しています。

例えば「腎藏精,其華在髮」というのですが、その中の「腎臓は精を蔵す」にご注目ください。「精」とは漢方医学における精気のことで、男女ともに存在し、男性の精液を指すものではありません。精には「先天の精」と「後天の精」があります。

「先天の精」は生まれつきのもので、先祖や両親からの遺伝によってもたらされます。ですから、生まれつき黒々とした美しい髪を持っている人もいれば、若い頃から白髪だったり、若くしてはげている人もいるわけです。

これに対して「後天の精」 とは、例えば私たちが日々食べている食物を指します。
胃腸からの吸収を通じて栄養物質に変化します。この栄養物質は五臓六腑の活動の基礎であり、五臓六腑の精とも呼ばれます。このような後天の精があるからこそ、人の体は発育し、さらなる子孫を繁栄させることができるわけです。髪も同様で、素晴らしい後天の精があって、はじめて髪は生き生きとします。逆に、腎精が不足すると、白髪や抜け毛が増え、髪質が悪くなるのです。

不健康な髪の「5つの原因」

先天的な遺伝は変えられませんが、後天的な要素である食事は改善できます。
また、夜更かしや脳を使いすぎるなど、髪の毛の健康に影響を与える生活習慣も改善することができます。こうした原因を減らす、あるいは取り除くことが、そのまま有効な改善方法になります。

1、食品中の防腐剤、成長ホルモン
食肉加工品のほとんどに含まれている亜硝酸塩は保存料です。また、亜硝酸塩にアミンを添加した食品は、発がん物質である亜硝酸塩を生成することにもつながります。アミン類を含む食品には、加工イカ、ハム、熟成した硬いチーズ、ソーセージ、ベーコン、干しエビ、干し貝柱、酸菜などがあります。

タバコ、酒類、ビンロウにも硝酸アミンが含まれており、一般的に摂取されるとがんを引き起こす可能性があります。インスタントラーメンには、ナトリウムと防腐剤が含まれています。

こうしたものを食べすぎると毛根への栄養供給が阻害され、抜け毛である脱毛につながる危険性があります。また、家畜類の肉に成長ホルモンを加えると、内分泌が乱れ、毛髪の成長が阻害されることがあります。

2、栄養バランスの崩れによる貧血
栄養、鉄分の欠乏、タンパク質欠乏も毛髪の成長に影響します。

タンパク質は毛髪の構成に不可欠な栄養素の1つです。タンパク質の慢性的な欠乏も脱毛の原因となるわけですが、過激なダイエットをしたり、辛いものや揚げ物を食べすぎたりする人は、肝胆の湿熱を悪化させ、毛根への血気の流れを阻害して脱毛を招くことがあります。

漢方医学の理論には「肝藏血、髮為血之餘(肝臓は血を蔵す。髪はその血の余りである)」というものがあり、毛髪の成長には肝血(肝臓に集まる血)の栄養が不可欠で、肝血が不足すれば、毛髪は枯れることになります。

ここで言う腎精と肝血は相互に転化され、腎精はまた精気、気、神に転化されます。肝血が不足している人は、腎臓の精気も不足するため、髪は白くなり、あるい
は抜け落ちます。

3、よく夜更かしする
夜更かしや徹夜は、抜け毛の原因になります。
髪の毛が成長するには、血液が養分を供給する必要があります。午後11時から夜明けの3時までは、肝胆経絡の循環する時間であり、胆経絡の循環する部位は頭の両側にあります。一方、肝臓経絡は頭頂部に分布しますので、夜更かしをすると、髪は頭頂部から抜け落ちやすくなるのです。

夜は肝臓が休める重要な時間です。午後11時前に就寝して、血液が肝臓に戻るのを助けましょう。そうすることで肝臓の血液は循環し、頭皮と髪の毛は十分な養分を得られて、抜け毛が少なくなり、髪の毛が黒くきれいになります。

夜更かしや徹夜をすると、肝臓の血液が不足しますので、髪の毛に必要な栄養が供給できなくなり抜けやすくなります。

4、脳の使いすぎ
長時間の頭脳労働により、脳がストレスを受け続けていると、頭部の血液が脳内部に優先的に供給されます。その結果、頭皮の栄養が不足し、脱毛が起きやすくなるのです。

もう一つの症状は「円形脱毛症」とも呼ばれ、これも不安や怒りなどの激しいストレスが原因です。

5、化学療法、大量化学薬物の服用
がん患者は、抗がん剤による化学療法を受けた後、髪の毛が多く抜けることがあります。

化学療法はがん細胞を殺すと同時に、正常な毛包細胞も傷つけます。一般的には、化学療法を中止した1~2カ月後には、毛髪も新たに生えてきます。

がん剤などの化学療法後は、疲労感や吐き気などの不快症状が現れます。これは脾胃気傷(脾臓と胃の気が傷つく)に属します。もちろん腎臓の精、気、神も大きく傷つくため、漢方での治療は脾胃を主とし、腎臓を補う生薬を処方します。

(文・李応達/翻訳編集・鳥飼聡)