なんとなく疲れが取れなかったり、年齢よりも老けて見えると感じたことはありませんか?台湾・翰鳴堂の主治医、周宗翰医師は、新唐人テレビの健康番組『健康1+1』で、自身のアンチエイジングの秘訣を紹介し、年代ごとに養生のポイントが異なることを語りました。
老化の節目はいつ訪れる?
周医師は、「老化には2つの転機があります。1つ目は出産、2つ目は更年期です」と述べます。男女問わず、子育てを始めると若さを保つためにはより多くの努力が必要になります。更年期ではホルモンが特に大きく影響を与え、「30歳から養生を意識すべき」と年代に応じたアンチエイジングのポイントを挙げています。
30代:人生の頑張りどき
養生のポイント:脾胃を整える。中医学でいう「脾胃」とは主に消化器系を指します。消化機能が整っていれば免疫力も高まり、仕事のストレスに負けにくい体になります。脾胃を整えるためには、規則正しくバランスの取れた食事が大切です。
40代:親の介護と子育て、家庭の責任が重なる時期
養生のポイント:肝を養う。肝はエネルギーと感情をコントロールする臓器で、生殖器とも密接な関わりがあります。肝を整えることで、ストレスや情緒の安定、ホルモンバランスの正常化が期待できます。肝のケアには、夜更かしを避け、飲酒を控えることが重要です。
50代:更年期を迎え、人生の次のステージへ
養生のポイント:腎を補う。中医学では、生命力の源となる「精」は腎に蓄えられており、この精が人の成長や老化に深く関係しています。腎を補うには、こまめに水を飲む、糖分や塩分を控える、黒ごま、黒豆、桑の実など黒い食材を積極的に取り入れるのが効果的です。
2024年の研究では、44歳と60歳前後が「崖のように急激に老化が進むタイミング」であることが明らかになりました。この時期には、老化に関わる分子レベルで大きな変化が起きており、その原因は生物学的要因だけでなく、年齢によって変わる生活習慣やストレスとも深く関係していると考えられています。
中医師が教える「養生の3大ポイント」
40代を迎え、仕事と家庭の板挟みになる「サンドイッチ世代」の一人として、周医師は、自身の心身の健康管理に特に気を配っています。彼が日々実践している3つの養生習慣を紹介します。
1. 毎日の運動で睡眠の質を向上
毎日運動することは、周医師にとって重要なアンチエイジング法の一つです。朝はランニング、夜はジムでトレーニングをしています。医師という立場上、患者と接する機会が多いため、自身が風邪をひくことも避けなければならず、自分の健康を守る努力が必要です。
「夜10時まで診察していても、その後ジムに行ってストレッチや筋膜リリース、軽めのウエイトトレーニングをします。診察には神経をかなり使うので、正直帰宅してもすぐに眠れないんです。気分が高ぶっている状態を、軽い運動で落ち着かせるようにしています。そうすると睡眠の質が良くなります」と語っています。

運動のもう一つの目的は、甘いミルクティーによる影響を打ち消すこと。周医師は笑いながら「私はちょっと糖に依存していて、診察中に集中力を高めるために甘い飲み物を飲むことがあります。でも甘い物をやめられない分、運動でバランスを取っています」と話します。
2. 精製糖の摂取を減らす
研究によると、体内で糖がたんぱく質と結びつく「メイラード反応」によって「糖化最終生成物」ができ、これが老化を早める原因の一つになるといいます。これはちょうど、ハチミツを塗ったステーキをオーブンで焼いたときのように、表面が香ばしくなる反応に似ています。
周医師は、ミルクティーを「糖少なめ」に変更したり、毎日飲んでいたのを1日おきにしたりと、意識的に糖の摂取量を減らしています。また、普段は自分で作った無糖のお茶を飲み、夕食は野菜と肉を中心にして白米などの精製された炭水化物を控え、超加工食品も避けているそうです。

3. マッサージで肌の血色を保つ
顔色や肌のハリを保つために、翡翠のかっさ板などの美容アイテムとスキンケアを組み合わせて、日常的にアンチエイジングケアをしています。
「かっさやマッサージをする時は、力の加減に気をつけて、肌に細かいシワができないようにしましょう。基本は下から上への動きで、逆方向に引っ張らないようにしてください。それにより顔の筋肉が引き締まり、リフトアップ効果が期待できます。マッサージの際に円を描くように動かすと、より良い効果があります」と周医師は説明しています。

見た目が若々しい人は、遺伝的な要素もありますが、睡眠や食生活の質も大きく影響します。中でも水分補給は非常に重要で、お茶を飲めばポリフェノールなどの抗酸化成分も摂れるため、細胞の修復に役立ちます。
アンチエイジングに最も役立つ「養生の3つの習慣」
老化を防ぐために何かひとつ始めたいけれど、何から手をつけてよいかわからない—そんな人に向けて、周医師は「もし3つしかできないなら、これをやってほしい」と、特に効果的な3つの習慣を挙げています。
1. 十分な睡眠をとること
周医師は「早寝か遅寝かは重要ではなく、睡眠の『量』が大事」と話します。つまり、しっかり眠れていれば時間帯にこだわる必要はないという考え方です。2024年3月に発表されたあるレビュー研究でも、1日7時間未満の睡眠では死亡リスクが14%上昇するというデータが示されています。十分な睡眠は、免疫力や代謝機能の維持にも関わっており、アンチエイジングの基本といえます。
2. 加工食品をできるだけ控える
「食事について、多くの人が『何を食べたらいいか』を知りたがりますが、本当に大事なのは『何を避けるべきか』なのです」と周医師は指摘します。特に糖分の摂りすぎと加工食品の摂取は、体に不要な物質を蓄積させる原因になりやすいため、極力避けるべきだといいます。
一方で、摂ると良いとされる食材については、「個人差はあるが、一般的にはキクラゲ、昆布、オクラなどのネバネバ食材でゼラチン質を補い、魚や牛すじなどでコラーゲンを補給するのが良い」とアドバイスしています。
3. 血流をよくして代謝を促す
体の循環を良くするためには、入浴や足湯がとても効果的です。血液の流れが改善されることで、腰痛や背中のこりも和らぎやすくなります。特に足湯の際には「粗塩を入れるのがポイント」と周医師は話します。中医学では「塩は腎に入る」とされ、腎のエネルギーを補う働きがあると考えられています。また、足のにおいの改善や体温の上昇にもつながるため、冷え性対策としてもおすすめです。

(翻訳編集 華山律)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。