(Eddows / PIXTA)

無理のない「断食」で健康になる方法

食事療法の一つとして、一定の期間をおいて複数回おこなわれる断食を「間欠的絶食」と呼んでいます。


減量だけでなく「健康維持にも有効」


間欠的絶食は、減量を目的とする集団で多く用いられる方法ですが、ある研究によると、断食は人が体脂肪を落とすのに役立つだけでなく、もっと多くの健康面での利点もあると言います。

肥満は、現代人にとって普遍的かつ深刻な問題です。

加えて、がん発生率は年々上昇し続けています。さらに、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の大流行などもある現代において、人々はどのように生活様式を改め、自身の免疫力を高めるかに関心を寄せています。

2015年7月に米国の学術誌『Cell Metabolism』に発表された研究は、断食することによる上述の健康問題を改善できるとともに、更に多くの利点があることを示しています。

研究には、カリフォルニア大学老年学研究科、テキサス大学健康科学センターなど複数の研究機関が協力しています。彼らは酵母菌、マウス、ヒトを含む複数のモデルを用い、通常の食事をとるグループと、間欠的断食を行うグループの2グループに分けて研究を行いました。その結果、分かったことは以下の5点です。
 

免疫力を高める」こともできます


間欠的絶食を効果的に行うと、次のような多くの利点があります。
1、体重減少および血糖値低下に効果的
現代人に多い肥満や高血糖は、慢性病の発症を促すリスクとなります。実験では、1日3食を食べたグループは、血糖値も体重もあまり変化しませんでした。
もう1つのグループは、絶食を月に5日間行った結果、体重が減少し、高かった血糖値も健康レベルに低下していました。

2、免疫力を高め、免疫システムを若くする
加齢とともに造血機能が低下し、後天性免疫細胞(T細胞、B細胞)の数が減少する現象を「免疫老化」といいます。
マウス実験によると、間欠的絶食による免疫系の再生と若年化を示唆する結果が得られました。

3、慢性炎症、がん発生率を低下させる

長期にわたる慢性炎症は悪性腫瘍を増殖させ、がんになりやすくなります。また、慢性炎症の指標が高ければ高いほど、人体の抗ウイルス能力も低くなります。
実験では、間欠的絶食をしたマウスの慢性炎症が明らかに改善され、さまざまな腫瘍になる確率も低下しました。

4、記憶力および認知能力の増強に役立つ
今回の研究では、断続的な断食が脳の神経系にも良いことが判明しました。
実験方法は、マウスに迷路を解かせて記憶能力や判断能力を判定するもので、実験の結果、絶食グループの方が賢く、迷路を解く成功率が高いことが判りました。

5、長寿に資する可能性も
酵母菌による実験ですが、栄養を与えることを断続的にしたグループのほうが、酵母の寿命が数日長くなりました。

また別の研究では、24時間いつでも食べられるマウスよりも、1日1食しか食べないマウスのほうが40%長生きすることも判っています。

以上の実験結果に加えて、同研究では、他の一般的な疾患に対する断食の有益性についても詳細に考察しています。研究者は最後に、適切に断食を行うことは微生物(酵母菌)や小型動物(マウス)による実験、およびヒトの試験において複数のメリットがあると結論づけました。
 

効果的かつ実行可能な断食法はこれ


今回のヒトを対象とした試験では、断食日を毎月5日間選択し、参加者の食事を通常の34%~54%のカロリーとし、3カ月間継続しました。

これは、必ずしも毎日断食しなくても、「月のうちの5日間」を設定して、その日の食事パターンを変えれば効果的であることを示しています。
さて、このような間欠的絶食を、無理なく、効果的に成功させるために、具体的にどうすればよいのでしょうか。

栄新クリニックの栄養士、李婉萍さんによると、間欠的絶食で効果をあげるためには2つのポイントがあると言います。「摂取する総カロリーの管理」と「断食時間を少なくとも12時間とる」です。現在流行している「168断食」「1212断食」は、いずれもこの基準に当てはまります。

168断食とは、1日のうち8時間は非絶食、残りの16時間を絶食します。
同じく1212断食は、12時間を非絶食、12時間を絶食とします。
例えば、168断食であれば、午前9時から午後5時までの間に食事をとるようにします。1212断食は、午前7時から午後7時までが食事可能な時間です。これは人間の自然な新陳代謝の時間に合致しています。

李婉萍さんは、いずれの方法をとるにしても、断食の時間を夜に設定することを勧めています。ただし、言うまでもなく、非絶食の時間に大量の「食いだめ」をしてはいけません。通常の食事量を守ることが「総カロリーの管理」です。

断食による健康法を初めて試す人は、寝る前にお腹が空いてしまうかもしれません。その時は夜食をとるのではなく、温かい牛乳を飲んだり、リンゴを少し食べたりしてください。

現代人の生活にありがちな夜食をやめれば、夜間に胃腸を休めることができ、睡眠にも影響しにくくなります。
食事や睡眠を正常な状態に保つことで、あなたの免疫力は自然に向上するでしょう。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)