2021年10月にバーチャルで開催された東南アジア諸国連合・オーストラリア首脳会議で話すスコット・モリソン豪首相(中央)(ロイター)

東南アジア諸国がオーストラリアとの戦略的協定を発表

2021年10月下旬にオーストラリアおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)が「包括的戦略パートナーシップ」を結ぶことに合意した。

これはオーストラリアがこの地域でより大きな役割を果たすことを目指していることを示すものである。 この条約は、戦略的な戦場となった急速に成長している地域におけるオーストラリアの外交と安全保障の結びつきをさらに強めることになる。

 パートナーシップの具体的な戦略目標はすぐには発表されなかったが、オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は同国が「実質的な支援を行う」と約束した。

 オーストラリアのマリズ・ペイン(Marise Payne)外務大臣との共同声明でモリソン首相は「このマイルストーンは、インド太平洋におけるASEANの中心的な役割に対するオーストラリアのコミットメントを強調し、将来のパートナーシップを位置づけている。オーストラリアは、ASEANを中心とした平和で安定した回復力に富み、繁栄した地域を支援しています」と述べている。 

ASEANの議長国を務めるブルネイは、この合意は「新たな関係の幕開け」であり、「有意義で実質的で互恵的で」あると述べている。 

この発表の後、オーストラリアは東南アジアでの保健とエネルギーの安全保障、テロ対策、国際犯罪対策に関するプロジェクトや何百もの奨学金に約120億円相当(1億2,000万米ドル)を投資すると発表した。

 オーストラリアはすでにインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなどと様々なレベルの二国間戦略的パートナーシップを結んでいる。 

モリソン首相はまた、2021年9月にオーストラリアが原子力潜水艦を購入することを可能にしたオーストラリアおよび英国と米国間の三国間安全保障協定は同地域の脅威とならないことをASEANに保証した。

 AUKUSと呼ばれる新しい条約は中華人民共和国が東南アジア、特に南シナ海における影響力に挑戦する動きであると見なす懸念を東南アジアで提起している。 

国際法廷によって違法と判断されているが、中国がいまだに主張する南シナ海の大部分を含む領有権を確立するために海上艦隊を展開しているため、米国を含むインド太平洋の同盟国や提携国はパトロールを増やしている。 

モリソン首相は、「AUKUSは地域の安定と安全を支援するパートナーシップのネットワークに貢献します」と述べている。

日本の岸田文雄首相は先のASEAN首脳との会談で自由で開かれた海洋秩序へ挑戦する中国に対して強い反対を表明し、中国の軍事的影響力の増大に対する地域の懸念を強調した。 

また、中国統治下の香港と新疆ウイグル自治区の人権状況や中国と台湾の間の海域の平和と安定の重要性についても言及した。

関連記事
中国の納棺師は、コロナによる死者数は、全国で死んだ人々は3億人下らないと語った。 疫病により、多くの死体が病院に横たわり、火葬場には長い列ができている。 中国共産党の隠蔽工作も、功を奏すことはできなかった。
米国の国際安全保障の専門家はこのほど、中国当局のミャンマー軍事政権への支援強化は、2022年2月の米インド太平 […]
[21日 ロイター] - 東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国カンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相は21日、ASEAN特使として初めてミャンマーを訪問した。 23日まで滞在する予定で、初日は軍事政権トップのミンアウンフライン総司令官と会談した。 ASEANは、昨年4月の首脳会合で暴力の即時停止など5項目で合意したが、ミャンマーがこれを履行していないため、首脳会議からミンアウンフライン氏を締め出
2021年12月に開催された先進7カ国首脳会議(G7)の外相会議で初めて実施された東南アジア諸国連合(ASEAN)との外相会議の後、G7は南シナ海の緊張状態に懸念を表明し、「自由で開かれたインド太
[クアラルンプール 15日 ロイター] - 東南アジアを歴訪中の米国のブリンケン国務長官は15日、随行記者1人が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したことを受け、日程を切り上げ帰国の途に付いた。ブリンケン氏自身は15日の検査で陰性を示している。 米国務省の8日の発表によると、ブリンケン長官は10─12日に英リバプールで開催された主要7カ国(G7)会合に出席した後、13─16日にインドネシア、