(YAMATO / PIXTA)

絵本で解決、幼児教育の悩み 第1話:絵本の奇跡的な効果

日本で生まれ育った子どもなら、誰もが読んだことがあるであろう読物——絵本。日本では絵本は、どこにでもある当たり前のものですが、日本で子どもを育てる外国の親御さんの中には、その魅力を本当に理解し、幼児教育に上手に利用する方法を知っている人はあまりいません。一見ごく普通の子供向けの本に見えますが、実はそこには膨大な育児に関する知恵が詰まっているのです。子育ての中で悩みや困難に遭った時、あるいは絵本の中から何か大きな気づきを得られるかもしれません。それだけでなく、ほとんどの成功者が、幼少期の絵本教育がなければ、今の自分はなかったと言います。絵本は、天才的な頭脳と並外れた想像力や創造性を育み、子供を賢くし、親を心配させないという、想像以上の効果があります。この連載では、皆さまをそんな絵本の不思議な世界へご案内します。

早期の幼児教育が子供の人生を左右する

幼児教育は、3歳前後が要です。この数年がその子の人生の成否に大きな影響を与え、方向性を決定します。また、性格や人格が形成されるのもこの時期です。もしこの時に過干渉であったり、あるいは放任し過ぎると、心の中に深い孤独と圧迫感が残り、それが思春期やその後の人生で様々な奇妙で極端な行動として現れ、難しい心理状態を作り出してしまいます。きっと親御さんの中には、この現象に直面しているものの、その原因がどこにあるのか、どう対処したらいいのかわからない人も多くいることでしょう。近年、親子関係の悪化は広く社会問題化しており、親なら誰しも一度はそれを経験したり、悩んだりしたことがあると思います。だからこそ、3歳前後の幼児教育は非常に重要なのです。絵本は、0歳から始められる幼児教育として極めて効果的であり、育児に対して大きな不安を抱えている親を助け、子どもの精神的な成長を守ることができます。

現代の子供はデジタル機器が友達  心が砂漠化

現代社会は、物が豊富な一方で、人々の心が貧弱で、人間関係が砂漠化していると言われており、各国の教育関係者はこれを重大な問題として捉えています。親御さんの中には、仕事が忙しく、子どもの相手をする時間がないために、コンピューターやテレビ、ゲームなどをベビーシッター、またはおもちゃの代わりとして子供に与えている人が多くいます。しかし、それでは最終的にデジタル機器に育てられた子どもと同じこととなり、その心の状態がどのようになるかは想像に難くないでしょう。

その子の生みの親こそ人間ですが、その子を育て、長く連れ添ったのは、人の心を持っていない冷たい機器類です。狼に育てられた子が、狼の野生や特徴を持つようになるのと同じように、機器に囲まれて育った子は、完全には人の環境を脱していないものの、その精神状態は、半分が人間でありながら、半分は機械のようであると言っても過言ではありません。

このような子どもたちは、たとえ物やおもちゃが豊富にあっても、健全な人間の心を失っているために、善悪を判断する力や人間としての倫理観、道徳観を持つことが難しく、孤独な人間関係において、忍耐することや寛容するということを知らないかもしれません。その上、現在は多くの家庭が父母と子どもだけで暮らす「核家族」であり、祖父母と三世代で暮らしている家庭は少なくなってきています。両親が忙しい時には、子どもは話し相手がおらず、テレビやゲームなどの電子機器に頼るしかなくなってしまいます。この状況は子どもに大いなる孤独感と悲しみを与えてしまうものです。

子どもが一人しかいない場合は、さらに孤独です。話をする相手がいない状態が続くと、徐々に他人への興味を失い、人に対する理解がなくなる可能性もあります。もし祖父母との関わりも少なく、両親がどのように年長者と接しているかを見たことがなければ、自分の親に対してどのように接するべきであるのかもわからないでしょう。また、兄弟がいない場合、同年代の子と接する機会も少ないために、友人との接し方もわからないことと思います。結果として引き起こされる人間関係の崩壊は、様々な奇行に繋がり、それは想像を絶する恐ろしいものです。これは、今の時代に子育てをする親にとって、ほとんど皆が抱える共通の問題と言っていいでしょう。

絵本の奇跡的な効果 

日本では、早くも高度経済成長期の1960年代にはこのような問題が存在しており、教育関係者は問題を解決すべく、伝統的な育児環境や生活様式を見直すことに努めました。そこから生まれる様々な問題を解決していくなかで、国境や時代の隔たりがない児童書が生まれたのです。この児童書は、子どもの教育において、良き師となり、良き友となることが歴史的にも証明されています。

彼らはあらゆる年齢や課題に対応した高品質な児童書を作り上げ、子どもたちがいつでもどこでも読めるようにと、保育所や図書館など、あらゆる場所に設置し、無料で提供しました。その効果は絶大で、すぐに結果が現れたと言います。

なぜなら絵本は、現代社会が引き起こす子どもたちの問題について、難しい説教をすることなく、生き生きとした楽しい方法で、真実を明らかにし、基本に立ち返らせてくれるからです。その上、子どもの心理を浮き彫りにし、両親に子ども時代の記憶や喜びを蘇らせ、それによって子どもの行動の裏に隠された考え方を理解することができるようになり、解決への糸口が見つかるのです。また、親にとっては、自分が持っている子育ての固定観念や慣習の妥当性を再認識するとともに、自分にとっては慣れ親しんだ面白みのないものを再び知る良い機会にもなります。

子育ての悩みは、絵本から解決策を得られるばかりでなく、大人の悩みを解決する新しいアイデアを得たり、自分がよく知っていると思っていた世界を新しい視点で見つめなおすこともできます。そこから得られる喜びや知恵は、子育てが負担や苦労ばかりではなく、大きな喜びや感動の連続であると感じさせてくれるでしょう。日常の何気ない出来事や生活も、子どもの視点や世界に入ることで、意味のある魅力的なものになります。

一方で、子どもたちにとって、魅惑的で幻想的な絵本の世界は、人類共通の良き師良き友であり、弱くて小さな魂が共鳴できる場所です。その上、様々な年齢の人とコミュニケーションをとったり、冒険をすることができ、毎日新しい体験をすることができ、さらには時代を超えて世界中を旅することができ、想像力を無限に働かせることができる場所でもあります。子どもたちは絵本から知識や興味を得る一方で、親に理解されない戸惑いや落ち込みの多くを、本の中から自分と似たような人物の物語を見つけることで解消しています。絵本は子どもの心を豊かにし、高貴な個性、そして優れた知性を育むための最良の方法なのです。

したがって、子どもに良い人生を送ってもらいたいと思っている方や、デジタル機器に囲まれた現代社会によって引き起こされる自殺や暴力、自閉症、学習意欲の欠如、不登校、強い反抗などの児童問題に不安を感じ、効果的な予防や解決方法を求めている方は、子どもを楽しく活気に満ちた絵本の世界に導くのがよいでしょう。絵本の持つ効果は、絵本を愛するすべての日本の親、子ども、そして教育者によって証明されています。

次回からは、絵本の神秘的な効果、種類、その巧妙な利用方法、子どもを読書好きに育てる方法、親の心構えなどを紐解くとともに、様々な角度から子どもの教育の問題について考えていきたいと思います。子育てに悩みを抱えている親御さんに、新しい子育ての考え方を提案し、現代日本の児童教育における絵本の持つ「神秘的な」力をご紹介します。

つづく

文・劉如
翻訳編集・牧村光莉