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うつ症状の改善に役立つ「ポジティブになれる食事」6種

うつ病や抑うつは、どうやって改善すればいいでしょうか。

精神内科では、抗うつ剤を処方したり、カウンセリングやレクリエーションなど社会的な治療を勧めたりすることがあります。しかし、方法はそれだけではありません。食事を改善することで、補助療法として、うつの程度を大きく改善することができるのです。

「6種類の楽しい食べ物」がストレス軽減に役立ちます

健康的な食生活は、うつ病の予防や軽減にも効果的です。

オーストラリアのディーキン大学の研究者が、12週間にわたり、67人のうつ病患者に対する異なる治療法の効果を追跡調査しています。その結果、研究者たちは、マンツーマンの社会的療法に参加した患者よりも、食事の内容を改善した患者のほうが「明らかに楽しんでいた」ことを発見しました。つまり、食事の内容を見直す方法が、気分を改善する効果も高いということです。

そのポイントを、以下に挙げます。

1、良質な炭水化物を摂る

糖質というと肥満を連想する人が多いですが、「良質な炭水化物」を適度に摂ることは、確かにストレスを軽減し、気持ちを楽にするのに役立ちます。全粒粉パン、果物と野菜は、良い減圧食品です。

2、ω3脂肪酸の豊富な食品

ω3脂肪酸は、うつの症状を緩和するなど、脳の機能にも有益であることが示されています。ω3脂肪酸が豊富な食べ物には、魚類、ナッツ類、菜種油、アマニ油に加えて、チンゲン菜やケールなどの深緑色の野菜などがあります。

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3、ビタミンDを多く含む食品

ビタミンDが欠乏すると、抑うつ症状が現れやすくなります。

一般的に、私たちの体は日光を浴びるだけで、十分なビタミンDを得ることができます。しかし屋内に長く座っている現代人は、必ずしも十分な日光を浴びることができるわけではないので、食事からの補給も重要になってきます。そこで、毎日の食事の内容に魚類、豆腐、牛乳を入れることをお薦めします。

4、ビタミンB 6を多く含む食品

ビタミンB 6は、セロトニンの体内生産のために重要な原料の1つです。気分の改善や睡眠を調節するセロトニンが不足すると、うつになりやすいと言われています。

ビタミンB 6を多く含む食品は、ピスタチオなどのナッツ類、ニンニク、サケ、マグロ、赤身の肉類、ホウレンソウ、キャベツ、バナナ、サツマイモ、アボカド、全粒粉の食品などです。

5、セレン(Se)を含む食品

ヒトの必須元素の1つであるセレンの欠乏が、うつ病の発症に関係すると報告されています。セレン摂取量が少ない人(1日8.9μg未満)は、うつ病にかかるリスクが、そうでない人より3倍高いとも言います。

ただし、セレンの過剰摂取は副作用を引き起こしやすいため、サプリメントを飲む際は、医師に相談するようにしてください。

セレンを多く含む食品には、ナッツ類、全粒粉の食品、豆類、海産物、赤身の肉類などがあります。

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6、プロバイオティクスを多く含む食品

プロバイオティクスは主に乳酸菌と一部の酵母菌を指します。それらは一般的に、腸に有益な微生物です。

英国の医学誌『British Medical Journal』に掲載された記事によると、2003年から2019年にかけて行われた7つの研究をまとめた結果、プロバイオティクスの摂取がうつ病患者の症状を改善するのに役立つことがわかっています。

ただし同研究では、プロバイオティクスがより広い範囲の患者に効果をもたらすかどうかについては、さらなる研究が必要であるとしています。

プロバイオティクスを食事から摂取するには、ヨーグルトやキムチなどの発酵食品を食べることです。そのほかにプレバイオティクスが豊富な食物は、タマネギ、アーティチョーク、ニンニク、バナナ、オーツ麦などです。
 

「避けるべき食物」もあるのでご注意を

以下の「5種類の食べ物」は避けるべき食品です。これらは、食べるほどうつ症状がひどくなるとお考えください。

特に多くの工程を経た缶詰と包装食品は避けるべきである。これらの食品には、炎症反応を悪化させ、体のエネルギーを消費する物質が多く含まれているからです。
 

1、「良質ではない」炭水化物
先述の「良質な炭水化物」とは正反対に、精製された糖分が過剰で多油の食物。いわゆる「ジャンクフード」がその代表です。

精製された砂糖の多いスナック類、さまざまな精製加工食品(例えば白パン)は、血糖値の急上昇を引き起こします。一時的なエネルギー充足感を得られることもありますが、すぐに疲れて、気分も落ち込んでしまいます。

2、アスパルテーム
アスパルテームなどの人工甘味料は、セロトニンの産生を阻害し、気分変動を引き起こすことがあります。

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3、硬化油
水素化油とも言われる油で、一部のファストフード店では、フライドチキンやフライドポテトを揚げるのに安い水素化油を使用しています。これらの食品には、トランス脂肪酸が多く含まれており、炎症を起こし、抑うつを悪化させる可能性があります。

4、カフェイン
カフェインは覚醒を促しますが、ときに睡眠を妨げたり、気分を害したりもします。カフェインに敏感な人は、少量のカフェインでもイライラしてしまいます。

一番いけないのは、寝不足で眠気を感じたときに、コーヒーでリフレッシュすることです。睡眠不足は集中力や効率を維持することを難しくしますが、飲んだカフェインが影響して、夜によく眠れないという悪循環を生むからです。

5、酒類および違法薬物
酒類は、一時的なリラクセーションを引き起こすこともありますが、体内時計を乱したり、気分の変動を引き起こすなど、かえって弊害をもたらすこともあります。
違法薬物は、言うまでもなく使用禁止あるいは所持禁止の物品です。一時的な快楽とは裏腹に、「健康被害が甚大であるから違法である」という常識に基づいて考えるべきです。

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うつに強くなる「地中海料理のレシピ」

地中海地方で昔から食べられている料理、いわゆる「地中海食」は、現代の栄養学の専門家が推奨する食事スタイルです。

これらの食事は、心臓病、炎症、高血圧のリスクを低下させるとともに、脳の機能も保護します。

ハーバード大学公衆衛生大学院のウォルター・ウィリット教授は、推奨する地中海料理の特徴として「毎日食べる野菜や果物の量を増やすとともに、オリーブオイルを主な脂肪源とし、乳製品、魚類、卵、赤身の肉、ワインを少量ずつ摂ること」などを挙げています。

もちろん冒頭で述べたように、屋外での運動や友人とのコミュニケーション、気分転換のレクリエーションなどの活動も、気分をリラックスさせ、ストレスを軽減するために有効な方法です。

したがって、食事面からの改善とともに、様々な角度から健康的な生活様式を維持することが、うつ病の予防と改善に役立つと言えます。

(文・劉景燁/翻訳編集・鳥飼聡)