12月9日、バイデン米大統領(写真)は、北大西洋条約機構(NATO)に加盟する中東欧9カ国の首脳と電話会談し、地域の軍事力強化へ協力を表明した。写真は6月、ブリュッセルで行われたNATO首脳会合後に記者会見するバイデン氏。代表撮影(2021年 ロイター)

バイデン氏、中東欧の軍事力強化に協力表明=リトアニア高官

ビリニュス 9日 ロイター] – バイデン米大統領は9日、北大西洋条約機構NATO)に加盟する中東欧9カ国の首脳と電話会談し、地域の軍事力強化へ協力を表明した。リトアニアのスカイスギリーテ大統領補佐官が明らかにした。

バイデン氏は9カ国に対し、同地域に関して当事国の関与なしにロシアと合意をまとめることはないと約束。「あなた方なしには何も決めない」と述べたという。

電話会談にはロシア、ベラルーシ、ウクライナとNATOの境界線上にあるリトアニア、エストニア、ラトビア、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアの首脳が参加。バイデン氏は先に、ウクライナ周辺の「温度を下げる」ために米とロシアおよびNATO主要加盟国による高官級協議を行うと約束している。

スカイスギリーテ氏によると、バイデン氏は中東欧9カ国で「追加的に安心感を与える要素、軍事能力の強化が可能」との認識を示した。場所は特定しなかったという。

エストニアのカリス大統領は会談後にツイッターへの投稿で「欧州の安全保障問題はNATO全加盟国と協議する必要があり、NATO非加盟国にNATOの決定に関する拒否権はない」と指摘した。

スカイスギリーテ氏によると、バイデン氏はウクライナが「自らの将来を決定するべき主権国家」だと述べ、ロシアがウクライナに軍事侵攻した場合は、「欧州パートナー国との協調による非常に深刻な結果」を招くと警告した。

ロシアは9日もウクライナに対し敵対的な発言を繰り返し、同国は冷戦の最も危険な局面と同レベルの危機にあるとの認識を示した。

リトアニアのナウセーダ大統領はバイデン氏に対し、抑止と地域の安全保障にとっては、米軍のリトアニア駐留が「最も効果的」と訴えた。

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