新型コロナウイルス「すでに2年。しかし答えは得られず」

新型コロナウイルスCOVID-19)について、大紀元はその発生国、および感染拡大の責任の所在を明確にする意味で、「中共ウイルス」という呼称を適宜用いて報道しています。

そこには同時に、「中国共産党(中共)との関係を完全に断つことこそ、疫病から自身と自国を守る究極の方法です」という真実を読者各位に伝えたいという、弊紙の切なる願いも込められています。

この性悪なウイルスによる感染が世界に広がり、丸2年になります。

これまでに2億人以上が感染し、500万人以上(不明者数は除く)が死亡しました。
しかし、このウイルスに関する多くの基本的な問題について、専門家である科学者でさえ十分解明できていないのが現状です。

そのいくつかを、以下に挙げます。

1、このウイルスは、人体にどんなダメージを与えるか?
このウイルスに感染すると、なぜ人によって異なる症状が現れ、程度も違うのか、科学者はいまだに明確な答えを得られていません。

また、各種の変異株による症状の違いも明らかではないのです。
科学者は患者が出た状況を詳細に分析してこそ総括することができるのですが、このウイルスの爆発的な感染拡大の前には、完全に対応能力を失っていました。
このことが、このウイルスについて未だに解明されていない大きな理由の1つです。

当初は軽症に見えた患者が、突然重症化するケースも多く見られました。死亡した人は高齢者だけとは限らず、29歳の若者や児童も犠牲になっています。

また一方で、ひとまず回復したように見えても、多くの患者に後遺症が残りました。一体どれくらい長引くのか、はっきりしない人が増えているのです。

世界保健機関(WHO)はすでにこの問題を公に提起し、これを「コロナウイルスの長期症状」(long COVID)と称し、新しい課題として研究しています。

WHOが定義する「コロナウイルスの長期症状」には、倦怠感、呼吸困難、不眠、集中力の減退、抑うつ、不安感などが含まれていますが、現在も、それ以外の新たな症状が継続して報告されていることを認めています。

さらに悪いことに、科学者はなぜこのウイルスがこれらの長期的な症状を引き起こすのか、分からないのです。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医学部長ボブ・ワッチャー氏は、米国時間の12月23日、次のようにツイートしています。

「2年が過ぎた。しかし私たちは、コロナウイルスの長期症状についても、オミクロン株に対するワクチンの有効性についても、全く分かっていないのだ。いま感染が続いているというオミクロン株の症状は比較的軽症と言われているが、長期的な後遺症が懸念される」

味覚や嗅覚の麻痺は、オミクロン株に感染した患者では普遍的ではないようですが、それも含めて、長期的な症状が出るかどうかはまだ分かっていません。

2、新しい変異株に対して、ワクチンの有効性はどのくらいか?
世界的にワクチン接種が導入されてから1年以上になります。

その中で最も多くの評価を受けているファイザー社とモデルナ社は、mRNA(メッセンジャーRNA)の新技術を採用しています。

この技術が開発されたのは30数年前のことで、米疾病予防管理センター(CDC)は、一般市民に対して広範囲に投与されるのは今回が初めてだとしています。

科学者は、ワクチン接種後の市民の反応を収集することによって、これらのワクチンの有効性と時間効果を知ることができます。

つまり、科学者は事前にどれだけの有効性があるかを知らず、全ては公衆の体の反応を見て「研究」を続けなければならないということです。

これは、どういうことでしょうか。

私たちは、確かに「ワクチン接種の6カ月後に効力が下がり始めた」ということを目にしました。
だからこそ、「さらに6カ月後に追加接種(ブースター接種)をする」ということが推奨されているわけです。科学者さえも「手探り」であることの実態が、そこにあります。

さらには、新たな変異株であるオミクロン株が出現したことで、追加接種が長期的に有効かどうかも、私たちが「これから知らなければならない問題」ということになります。

WHOは、ファイザー社とモデルナ社のワクチンについて、「新しい変異株に対する有効性は、従来株の有効性よりも低い」ことを認めています。

「ニューヨーク・タイムズ」紙は、他にもジョンソン・エンド・ジョンソン社やアストラゼネカ社のワクチンが、「ロシア製や中国製のワクチンと同様に、新しい変異株に対する有効性は低い」と報じています。

3、デルタ株やオミクロン株のような新しい変異株が、今後も出るのか?
WHOの統計によると、感染が拡大して以来、新型コロナウイルスは少なくとも5つの変異株が出現したと言います。

それぞれの変異株は、「疾患の重症度」「どの治療法が有効であるか」「他者への感染力がどれほどか」などが、それぞれ異なるとされています。

最近の感染は、依然としてデルタ株とオミクロン株が中心となっています。
研究者は、新しい変異株の出現を早期に察知することができましたが、その新しい変異株の特徴を把握することができなかったため、どのように対処すればよいか分からなかったのです。

では、デルタ株やオミクロン株のような新しい変異株が、今後も出るのでしょうか。
この問題について、WHOの関係者は「比較的明確な答え」を持っています。

つまり、流行が長引くほど、「ウイルスが伝播する過程で、変異株が出現する可能性が高くなる」ということです。

(翻訳編集・鳥飼聡)