1月12日、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使(写真)は、北朝鮮による一連のミサイル発射を受け、同国への制裁強化を国連安全保障理事会に働き掛けていると明かした。写真はワシントンで昨年9月撮影(2022年 ロイター/Evelyn Hockstein)

対北朝鮮制裁強化、米が国連に働き掛け 一連のミサイル発射受け

[国連 12日 ロイター] – 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は12日、北朝鮮による一連のミサイル発射を受け、同国への制裁強化を国連安全保障理事会に働き掛けていると明かした。

「2021年9月以降、北朝鮮が6回の弾道ミサイル発射を行ったことを受け、米国は国連制裁を提案している。これらはいずれも国連安保理決議に違反している」とツイッターに投稿した。

米財務省はこの日、北朝鮮による相次ぐミサイル発射を受け、北朝鮮の個人6人とロシアの個人1人、および1団体に制裁を科すと発表した。ロシアと中国からの兵器開発用物資の調達に関与したとしている。

米国の外交筋が匿名で明らかにしたところによると、米国はそのうちの5人を対象にした国連による渡航禁止と資産凍結を提案しているという。この提案は、ロシアと中国を含む15カ国で構成される国連安保理北朝鮮制裁委員会の合意を得る必要がある。

同筋は「米国が指定した追加の3個人・団体を国連に提示する準備をするために、パートナーとの調整を続けている」と述べた。

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