ブリンケン米国務長官は13日、北朝鮮による相次ぐミサイル発射を巡り、深刻な不安定化と危険をもたらすものだとの見解を表明した。KCNA提供(2022年 ロイター)

北朝鮮のミサイル実験、不安定化と危険をもたらす=米国務長官

[ワシントン 13日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は13日、北朝鮮による相次ぐミサイル発射を巡り、深刻な不安定化と危険をもたらすものだとの見解を表明した。また、北朝鮮は米政府からの外交的提案に何ら応じていないと述べた。MSNBCのインタビューに応じた。

ブリンケン国務長官は、米国は北朝鮮に対する敵対的意図はなく、前提条件なしに協議する意思があることを明らかにしていると述べた。「残念ながら、こうした提案に対して何の反応もないだけでなく、われわれが目にしたものは新たなミサイル実験だった。これは非常に不安定で危険な行為であり、国連安全保障理事会の決議に反するものだ」と指摘した。

その上で「北朝鮮は注目を集めようとしているのではないか。過去にもそうしてきたし、これからもそうするだろう」とした。

また、米国とその同盟国は、自らの安全が保障されていることを確認するとともに、北朝鮮のミサイル実験による影響を注視しているとした。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は12日、金正恩朝鮮労働党総書記の立ち会いの下、極超音速ミサイルの発射実験を11日に行い、成功したと伝えた。北朝鮮が弾道ミサイルの可能性がある飛翔(ひしょう)体を発射したのは、今月5日に続いて今年2回目。

相次ぐミサイル発射を受け、米財務省は12日、北朝鮮の個人6人とロシアの個人1人、および1団体に制裁を科すと発表した。

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