1月17日、松野博一官房長官は午前の会見で、日本時間21日夜に日米首脳会談をテレビ電話形式で行うと発表した。 写真は記者会見で2021年10月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

日米首脳テレビ会談、対面模索も連携示すことに意義=松野官房長官

[東京 17日 ロイター] – 松野博一官房長官は17日午前の会見で、日本時間21日夜に日米首脳会談をテレビ電話形式で行うと発表した。政府として対面での会談を模索してきたが、新型コロナウイルス感染拡大や国会日程を踏まえ、テレビ電話形式でも日米の連携を示すことができると説明した。

<コロナ対策に万全期すため開会前に訪米せず>

松野官房長官は、政府として「対面での首脳会談の早期実現を調整してきたが、内外でのコロナ感染急拡大の状況に照らし、国内のコロナ対策に万全を期すため、(17日召集予定の)通常国会前の訪米は行わないこととした」と説明した。

同時に、早期にテレビ会談を行い両首脳の信頼関係を高めるとともに、日米同盟ののさらなる強化や自由で開かれたインド太平洋の実現、核兵器のない世界に向けた取り組みなどの課題への対応に向け「連携を重ねることの意義を踏まえ、テレビ形式で実施する」と述べた。

<北朝鮮の発射、弾道ミサイルの可能性>

松野長官は、17日朝、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたとも発表。被害報告などは確認されていないが、岸田文雄首相から情報収集分析と国民への迅速・適格な情報提供、航空機・船舶の安全確認徹底、不足事態に備えた万全な体制─を取るよう指示があったと述べた。

日米首脳会談では北朝鮮による拉致問題が議題になるかとの質問に対しては、「議題については日本の立場などを踏まえ適切に判断するが、現時点予断をもって答えるのは控える」と応じた。その上で「拉致問題解決に一刻の猶予もなく、即時解決に向けて日米両国の緊密な連頼を確認するのが重要」と強調した。

<まん延防止重点措置、追加の要請はなし>

足元の新型コロナ感染拡大については、過去にない感染急増で重症者数も増加傾向にあるが、まん延防止等重点措置の適用を巡っては現在実施中の沖縄など3県以外から要請はないと説明した。今後、要請があった場合は総合的に判断するとした。

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