高市総理 拉致被害者家族と面会 「制裁解除」容認の新方針を受け決意新た

2026/02/16
更新: 2026/02/16

令和8年(2026年)2月16日、高市早苗内閣総理大臣は総理大臣官邸において、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」及び「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」のメンバーと面会した。この面会で高市総理は、家族会と救う会が決定した「親世代が存命のうちに全被害者が帰国するならば、日本独自の対北朝鮮制裁の解除に反対しない」という新たな運動方針を正式に受け取った。解決に向けた時間が限られる中、事態は新たな局面を迎えつつある。

面会する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

「苦渋の決断」を受け止めて

面会の冒頭、高市総理は、有本恵子さんの父・明弘さんが逝去してから1年が経過したことに触れ、未だ解決に至っていない現状について政府として謝罪し、哀悼の意を表した。 その上で、家族会らが提示した新方針について言及。「独自制裁の解除に反対しないとする方針の決定は、皆様にとって苦渋の決断と拝察する」と述べ、その重い決断を真摯に受け止めると応じた。

拉致被害者御家族等との面会の様子(出典:首相官邸ウェブサイト)

横田めぐみさんの母・早紀江さんが同月90歳を迎えたことにも触れ、高市総理は「拉致問題の解決にこれ以上の猶予は許されない」との認識を強調した。木原官房長官と共に、親世代が元気なうちに再会を実現させるため、心血を注ぐことを改めて約束した。

面会する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

親世代の高齢化と切迫する時間

今回の面会の背景には、被害者家族の急速な高齢化という切実な事情もある。有本明弘さんの死去から1年が経ち、象徴的な存在である横田早紀江さんも90歳となった。 これまで「対話と圧力」を掲げてきた家族会および支援組織「救う会」であるが、親世代が存命のうちに被害者を取り戻すためには、北朝鮮側が動きやすい条件を提示する必要に迫られた形だ。令和8年2月15日に策定されたこの「新運動方針」は、まさに背水の陣とも言える方針転換であったことがうかがえる。

首脳会談への模索

昨年(令和7年)10月21日に内閣総理大臣に就任した高市氏は、拉致問題解決を「自身に課せられた使命」と位置づけている。 今後の焦点は、この家族会らの「カード」を外交交渉でいかに有効に使えるかにある。高市総理は面会の中で、「金正恩委員長と首脳同士で正面から向き合う覚悟」を明言しており、日朝双方が平和と繁栄を享受できる未来を描く意欲を示した。

面会する高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

具体的には、あらゆる手段を尽くして「私の代で何としても突破口を開く」としており、水面下での様々なルートを通じた働きかけが今後さらに活発化すると予測される。家族側が制裁解除という譲歩の姿勢を見せたことで、日本政府は北朝鮮に対し、より柔軟かつ強力な交渉のアプローチを試みる可能性がある。 しかし、北朝鮮側の反応は未知数であり、具体的な成果に結びつけられるか、高市内閣の外交手腕が厳しく問われることになるだろう。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。