董宇紅博士が語る:オミクロン株の実態と予防法

新型コロナウイルス(中共ウイルス)の変異株であるオミクロン株による感染は、すでに全世界の感染者数の50%以上を占めています。
オミクロン株に感染した場合の入院率、重症化率、死亡率、感染年齢などについて、董宇紅博士の詳しい分析をご覧ください。

重症化の比率は「著しく低下」

米カリフォルニア大学バークレー校疫学助教授のジョセフ・レナード氏は、米カイザー社の医療システムをつかって、昨年11月30日から今年1月1日までの間に新型コロナウイルスに感染した患者の症例を詳細に分析しました。その概要は、以下の通りです。

1、感染年齢
オミクロン株感染者の年齢分布は、典型的な「逆V字型」を示しました。ピークは30歳前後でした。
 

オミクロン株に感染した年齢層の分布。ピークは30歳前後でした。(健康1+1図)

2、3つの重症度指標
研究者は、いずれも変異株であるオミクロン株とデルタ株について、感染後の3種類の重症指標である「入院率」「集中治療を受けた率」「体外式膜型人工肺の使用率」を比較しました。

それによると、オミクロン株感染者の入院率はデルタ株より53%減少し、重症と判断されて集中治療室に入る割合も、デルタ株に比べて74%減少しています。
 

オミクロン株感染者の入院率は、デルタ株の感染者に比べて53%減少しています。(健康1+1図)

体外式膜型人工肺(ECMO)は、自力では呼吸ができない重症患者に対して使用される生命維持装置です。

オミクロン株では、体外式膜型人工肺による処置を受けるケースは極めて稀であり、同研究で調査した1カ月間の症例では、これを必要とした患者は1人もいませんでした。

全体的に、オミクロン株の感染による重症度指標は、明らかに低下していると言えます。

3、死亡率
オミクロン株感染者の死亡率は、デルタ株より91%減少しました。
 

オミクロン株感染者の死亡率は、デルタ株より91%減少しました。(健康1+1図)

4、入院期間
ウイルス感染して入院した場合の平均入院期間は、デルタ株が4~5日間であるのに対して、オミクロン株の場合は約2日間と、大幅に短縮されています。
 

オミクロン株による入院期間は、デルタ株の場合より2~3日間短縮されています。(健康1+1図)

デルタ株に比べて、オミクロン株は感染して入院した場合でも入院期間が短くてすむことは確かです。これは、それだけ医療資源を節約できるため、医療現場および医療従事者にとって大きな朗報でしょう。

最大の懸念は「感染者数の増大」

しかし現状は、決して楽観できるものではありません。

デルタ株に比べて、オミクロン株の重症化リスクは低下しています。しかし、感染者数の増加は現在も爆発的であり、オミクロン株の感染拡大の速度はデルタ株をはるかに凌ぐものがあります。

つまり、重症化リスクは低いものの、感染者数の増大は、一般医療を含めた現在の医療システムにとって極めて大きな負担となっているのです。

私たちは今こそ、「自分の免疫力を高める」ことを重視しなければなりません。

オミクロン株の感染による症状について、「風邪と同じ」というように軽視してはいけません。持病や基礎疾患の有無、年齢など、人によって体の状況は違います。自分から他の人へ感染を広める可能性もあります。

さらに言えば、オミクロン株に関する長期的なデータはないので、感染者に深刻な後遺症をもたらすか否かは、まだ分かっていません。

現在知られているのは、「全世界で新型コロナウイルスに感染した人の40%が、完治した後にも長期的な後遺症が残る可能性がある」ということだけです。それは例えば、重い疲労感、頭痛、精神的な抑うつや不安、臓器の機能低下などです。

油断や軽視は禁物です

オミクロン株の感染がもたらす影響を軽く見ることはできません。

また、オミクロン株に感染してから症状が現れるまでの期間はわずか2~3日で、デルタ株の4~6日に比べて格段に短くなっています。このことは、オミクロン株は人の呼吸器官へ侵入する力が強く、短時間で大量のウイルスを複製することを示しています。

私たちは、より多くの免疫力をもち、インターフェロンの体内産生力を向上させなければなりません。

この二つの能力を十分に発揮させるためには、行動や日常生活、心理状態などの調整から始める必要があります。心身ともに健康であることによって、自身がもつ自然免疫力が高まり、ウイルスの侵入をより効果的に防ぐことができるからです。

(口述・董宇紅/翻訳編集・鳥飼聡)