臨床心理士が指摘する子育ての盲点(1)怒りやすい子どもはよく観察する

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子どもは思い通りにならないことがあると、泣いたりわめいたりします。その時親はどうしたらいいのでしょうか。臨床心理士が、子どもの怒りの背景にある、親が見落としがちな子育てのポイントについて解説します。

まず、子どもの怒りの引き金となる地雷を取り除き、子どもが感情コントロールを学べるように導き、ポジティブな親子関係を再構築することが、よい子育てのポイントとなるのです。

小さな子供を育てている親は、以下のような状況に出くわしたことがあるのではないでしょうか。

「いいかげんにして。連れてきてあげたのに、言うことをきかないともう帰るよ」

母親が言い終わると、剛ちゃんはわめきだし、母親のお腹を叩きだしました。

「この子は、一体何をしてるの!?」と、お母さんは、彼の腕をぎゅっと握りながら言いました。そのとたん、子どもは後ろ向きに地面に倒れ、泣き叫びました。通りすがりの人が足を止め、剛ちゃんは皆の注目を集めています。

「何泣いてるの?みんな見ているよ、恥ずかしいでしょ、早く起きなさい」と、母親は子どもを抱き起そうとしましたが、子どもは地面に倒れたまま、離れようとしません。

剛ちゃんの泣き声や叫び声はいつまでたっても収まらず、母親は苛立ちを覚えました。

「こんなに泣いていたら、どうやって電車で帰るの?」

お母さんは、「ほら、たくさんの人が見ているよ」と優しく話しかけ、背中を叩いてなだめようとしました。しかし効果はなく、子どもは不機嫌なままでした。

「このままわがままを言って、電車で帰れなくなったら、もう夜アニメを見させないからね」と、母親は意を決して脅しをかけましたが、子どもは、「やだ、見たい!見たい!見たい!」とさらに叫び始めました。

母親はもうどうしようもないと思いました。目の前の子どもはどうしたのでしょうか。まるで、体にたくさんの爆薬が結びつけられているようで、それに触れるたびに怒りが爆発するのです。

ただ小さい子どもが怒るのは、けっして珍しいことではありません。子どもの感情を抑圧したり否定したりすることはせず、いろんな感情を持って生きていけるようにしてあげてください。「怒らないで」という言葉は使わないようにしましょう。

ではどうしたらよいでしょうか。まずは親の方が冷静にならなくてはいけません。

子どもが怒ってばかりいる?子育てで見落としてはいけない4つのポイント

1.子どもの感情表現

「貴方が納得する子どもの怒り方とは?」 私は講演の中で、保護者や先生方にこのコンセプトをよく強調します。私たちが気になるのは、その子がどのように感情を表現しているかということです。

2.子どもの感情調整能力

子どもがなかなか落ち着かないときは、日常生活の中で、興奮状態から徐々に回復して、安定した感情の状態を維持する力が不足していないか考えてみてください。

3.子どもが怒るきっかけを把握する

子どもの怒りが「感情表現」なのか、「社会的支配・統制」なのかを判断するには、その前兆を見極めることが重要です。例えば、子どもが突然癇癪を起こしたとき、3秒前を思い出して、何がきっかけで怒ったのかを判断してください。

4.子どもの思考パターンを探る

子どもがよく怒るということがある場合、考えてみてください。子どもの思考に何か問題がないでしょうか?あなたの子どもは、いつも物事を理不尽に否定的にとらえ、自分に不利になるように解釈し、相手の意図を歪めているということはないでしょうか?
 

怒っている子どもの反抗的な態度を和らげるための親の戦略は、「立ち止まり、見て、聞く」ことと、話すペースを遅くすることで子どもに「クールダウン」の機会を与えることです。(Shutterstock)

(続く)

(翻訳・志水慧美)