夫婦の絆を深める 専門家が勧める2つの習慣

夫婦として長く一緒に過ごしていると、自分は相手のことを分かっていると思い込み、いつの間にかコミュニケーションが不足したり、相手の言葉や行動に対して深く考えずに反応してしまったりすることがあります。しかし、実際の状況は自分が想像しているものとは異なる場合も少なくありません。

こうした積み重ねが、気づかないうちに夫婦関係を傷つけてしまうこともあります。専門家は、夫婦の間で二つの小さな習慣を身につけることができれば、結婚生活はより強固で親密になり、さらに柔軟性のあるものになると述べています。

アメリカの心理学者マーク・トラヴァース氏は、「Psychology Today」のウェブサイトに寄稿した記事の中で、結婚関係における感情の基調や期待を、時間をかけて本当に変えていくのは、こうした細やかな行動やふるまいだと述べています。それらは結婚関係を支える真の柱であり、夫婦双方が探求し、成長し、発展していくことを可能にするものだといいます。

トラヴァース氏は、次の二つのシンプルな行動が、夫婦関係の長期的な発展と、年月とともに強まる絆に役立つと指摘しています。
 

1. 勝手に推測するのではなく、尋ねる

トラヴァース氏によると、配偶者と会話をするときに、「今日はどんな一日でしたか?」と尋ねるのと、「また長い出張なのですね」と言うのとでは、相手に伝わる印象はまったく異なります。

誰かと一定期間一緒に過ごしていると、自分はその人のことを「分かっている」と感じやすくなります。親しみは安心感をもたらす一方で、思い込みを生みやすくもあります。私たちは相手の行動の空白を無意識に埋めてしまい、「ああ、またストレスを感じているのだろう」「彼女は明らかに私に怒っている」「あの人は怒るといつもこうだ」といった考えを抱きがちです。

しかし実際には、こうした推測は、さらなる対話を妨げてしまいます。一方で、尋ねることは対話の扉を開く行為です。

評価や決めつけを、誠実な好奇心に置き換えることで、私たちはパートナーに、変化し続ける一人の生きた人間として自分を表現する余地を与えることができます。それは、私たちの頭の中にある相手像ではなく、今この瞬間に目の前にいる相手そのものです。

2017年に発表された研究では、「理解されていると感じること」は、必ずしも「実際に理解されていること」と一致しないことが示されています。実際には、相手が自分を理解していても誤解されていると感じることがあり、その逆が起こることもあります。

勝手に推測するのではなく尋ねることで、パートナーが本当に「理解された」と感じる可能性を高めることができます。なぜなら、相手が今まさに経験していることのための余地をつくり、自分自身の見方を相手に投影しなくなるからです。

トラヴァース氏は例として、「最近あなたは冷たいですね」と言う代わりに、「最近、私たちの間に少し距離を感じています。あなたは今、どんな気持ちですか?」と伝えてみてほしいと述べています。

夫婦がコミュニケーションを取っている様子。(Shutterstock)

 

2. 反応する前に、少し立ち止まる

トラヴァース氏によると、何かが私たちの心に引っかかったとき、たとえば何気ない一言や行き違いのコミュニケーション、あるいは見過ごされた失敗などがきっかけで、私たちの神経系は即座に反応し始めます。

私たちはしばしばその切迫感に流され、考える前に衝動的に発言したり、相手の意図を理解しようとする前に自己弁護に走ったり、問題を解決する機会があるにもかかわらず気分の落ち込みに引き込まれてしまったりします。

では、何をすれば状況は変わるのでしょうか。それは、ほんの少し立ち止まることです。まず深く一息つき、「少し時間をください。後で返答します」と伝えてみてください。

これは感情を抑え込むという意味ではありません。感情に完全に支配されてしまう前に、それを受け止め、整理するための時間を自分に与えるということです。感情は依然として存在していますが、今度は感情に振り回されるのではなく、自分で反応を選んでいる状態になります。

2018年に発表されたマインドフルネス(評価や判断を加えずに「今この瞬間」に意識を向ける心の在り方)に関する研究では、このような意図的な「間」が、ストレス反応を調整するうえで重要な役割を果たすことが示されています。

反応する前に少し立ち止まることで、事態がさらに悪化するのを防ぎ、共感や相手の立場に立って考える余地、そしてより健全な行動を選ぶための空間が生まれます。

トラヴァース氏は、返答する前に立ち止まるために、次の二つの方法を試してみることを勧めています。

  • 「三呼吸ルール」を練習する——感情が刺激されたと感じたら、ゆっくりと三回息を吸い、三回吐くことを繰り返し、それを三セット行います。これにより、感情を整え、冷静さを保つための時間が生まれます。
     
  • 自己内省を行う——「この反応は関係を良くするためのものか、それとも相手をコントロールしようとしているのか」と自分に問いかけてみてください。そうすることで歩みを緩め、より思いやりのある反応を選び、結果として二人の関係を守ることにつながります。

トラヴァース氏は、このシンプルな「立ち止まり」が、感情の壁を築いてしまうような言葉を口にするのを防いでくれると述べています。あなたが本当に望んでいるのは、コミュニケーションを遮る壁ではなく、対話をつなぐ橋なのです。

(翻訳編集 井田千景)

陳俊村