3月24日、岸田文雄首相は、北朝鮮が同日午後に新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)と思われるミサイルを発射したことについて「許されない暴挙であり、断固として非難する」と述べた。2月、代表撮影(2022年 ロイター)

北朝鮮のミサイル発射を断固非難、制裁含む対応で関係国と連携=岸田首相

[東京 24日 ロイター] – 岸田文雄首相は24日、北朝鮮が同日午後に新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)と思われるミサイルを発射したことについて「許されない暴挙であり、断固として非難する」と述べた。制裁を含めた今後の対応について「日米、日米韓をはじめ関係国としっかり連携を取りながら対応していく」と語った。

主要7カ国(G7)首脳会議に参加するために訪問中のベルギーのブリュッセルで、記者団に語った。

首相は、北朝鮮が今年に入ってから高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返していると指摘。一連の北朝鮮の行動は日本や国際社会の平和と安全を脅かすものであり、「断じて容認することはできない」と語った。G7首脳会議でも北朝鮮の行為に対する連携について確認したいと述べた。

政府専用機の中で北朝鮮ミサイル発射の報告を受けた首相は、松野博一官房長官に対し、対応に万全を期すとともに国家安全保障会議(4大臣会合)を速やかに開催するよう指示したという。

(杉山健太郎)

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