漢方では米は薬として利用できる(1) 古米の意外なメリット

漢方医学はお米に対して、独特かつ深い認識を持っており、お米は主食として食する以外にも薬として使用できます。最近、多くの人が健康上の理由からお米を食べるのを減らしていますが、それでもお米にはかけがえのない利点があります。たとえば、お米を食べることは胃の気を養い、血液に栄養を与えるのに役立ちます。
 

薬としても使用されていた米

人間は何千年もの間、米を食べており、最も古い記録は8000年以上前にさかのぼることができます。世界で最も古い古代の栽培米は、中国湖南省の道県で発見されています。

「一地域の水と土はその地域の人々を養う」ということわざがあり、何千年もの間、米は何世代にもわたって人々に栄養を与えてきました。中華文化には長い歴史があり、米も、その長い中華文化の歴史と共に歩んできました。

米は古典的な主食であるだけでなく、薬にも使用されています。

よく食べるお米は、インディカ米(タイ米)とうるち米の2種類に分けられます。
インディカ米は、見た目が細く、粘度が低く、主に中国南部、台湾、インド、インドシナで生産されています。うるち米の穀物は短く丸く、主に中国北部、日本、韓国などの北部で生産されています。うるち米はインディカ米よりも粘りがあり、日本の寿司などはうるち米を使用する必要があります

うるち米の効能はインディカ米と同じですが、張仲景(後漢時代の医者)は、当時黄河流域に住み、うるち米を薬として使用していました。医学書では、うるち米を使用することが強調されています。また、もち米は消化が難しく、患者は食べてはいけないため、白米ともち米を区別していました。
 

お米は新鮮な方が良いか?

古代人は米に非常にこだわっており、栽培・収穫した時期や場所、保存期間によって種類を分けていました。

たとえば、1年間放置された米は陳米(古米)と呼ばれます。陳米は消化しやすいので、病気の人にとても適しています。

清朝の薬学書『食鑑本草』は、「陳米(古米)を食べる前に脱穀するとさらに良い」と述べており、胃に優しいとしています。ただ、漢方医の葉啓民氏は「米がよく保存されていなければならず、黄色い麹毒素(アフラトキシン )がないこと」と注意を促しています。

1年間保存した米を食べると健康維持に良いだけでなく、炒めることで病気を治すこともでき、脾臓や胃が冷えて起こる下痢などの症状を改善することができます。葉啓民氏は、伝統的なスナック「ポン菓子」は「炒めた米」に似ており、便が硬い人は頻繁に食べない方が良いと注意しています。

(つづく)

(責任編集・李清風/翻訳・郡山雨来)