カリフォルニア大学の研究により、認知症の症状の悪化を遅らせたり、さらに元に戻ったりする可能性があることが判明した (Shutterstock)

認知症は救えるのか?(1)  10人中9人の患者の症状を改善させたある方法

こんなシナリオを想像してみよう。 ここ数年、あなたのお母さんは記憶を失い、運転中に道に迷ったり、あなたに何度も同じ質問をしたり、新しい情報を取り込めなかったり、文章の途中で言おうとしていたことを忘れてしまったりしている。そしてCTスキャンの結果、医師からアルツハイマー病であると言われた。 医者から薬をもらっているが、医者も効かないかもしれないと言う。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とバックインスティテュートフォーエイジング研究所による新しいプロジェクトは、このような患者に新しい希望を与えている。「認知機能低下の逆転:新しい治療プログラム」というタイトルの研究論文で、デール・ブレーデセン氏は、認知症と診断された10人の患者のうち9人が認知能力を回復したことを紹介している。 

アルツハイマー型認知症は、認知症全体の60~80%を占める数ある認知症のうちの一つに過ぎない。 この病気は、米国で540万人、世界で3千万人が罹患していると言われ、2050年には、この病気の患者数は世界で1億6千万人に増加し、そのうち1300万人は米国人であると言われている。アルツハイマー型認知症には有効な治療法がなく、すでに米国では死因の第3位となっている。

▶ 続きを読む
関連記事
脳の認知機能の低下を防ぐことは、誰でも100%コントロールできるわけではありませんが、一貫した毎日の習慣によっ […]