3月7日、米国家情報長官室は、年次の「世界脅威評価書」を公表し、北朝鮮の相次ぐミサイル発射について、年内の大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)と核兵器の実験再開に向けた準備作業かもしれないとの見方を示した。写真は北朝鮮国旗。2017年3月、クアラルンプールにある北朝鮮大使館で撮影(2022年 ロイター/Edgar Su)

北朝鮮、年内にICBM・核実験再開も=米国家情報長官室

[ワシントン 7日 ロイター] – 米国家情報長官室は7日、年次の「世界脅威評価書」を公表し、北朝鮮の相次ぐミサイル発射について、年内の大陸間弾道弾ミサイルICBM)と核兵器の実験再開に向けた準備作業かもしれないとの見方を示した。

実験を再開すれば2017年以来となる。

報告書によると、金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、核兵器の保有と弾道ミサイルの研究開発の強化に依然として強い意欲を持っている。

ICBM、中距離弾道ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイルの開発を続けており、全米を射程に入れる核兵器能力の強化を目指しているという。

報告書は1月21日時点の情報を基にしている。

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