体内を解毒するために「爽やかな汗を流しましょう」(1)

デトックス機能とは、体内にたまった老廃物や有毒物を発汗や排せつによって体外に排出する、人体に不可欠な解毒機能のことです。

あなたの体には、生まれつきの強力なデトックス機能が備わっています。
市販されている人気のデトックス飲料や高額なデトックス療法は、もう必要ありません。

あなたに、今日からぜひやっていただきたいことは「汗をかくこと」です。
なぜならば、体内にたまった殺虫剤重金属などの毒素を排出する上で、発汗は、排尿よりも効果的な機能だからです。

医療の専門家も、フィットネスの専門家も、毎日汗をかくことを推奨しています。実際、汗をかくことには多くのメリットがあります。それは自身が健康的な運動をしたことを証明するだけではなく、汗をかくこと自体に、体調を整え、病を治す意味があるからです。

発汗がデトックス作用を有することを、多くの研究が支持しています。
汗は、残留性有機汚染物質(POPs)から重金属まで、体内のさまざまな毒素を排出します。

それは体内の自然な解毒に不可欠な役割ですが、同時に汗は、体内に一定量は必要なミネラルも排出してしまいます。

汗をかくことで体内から排出される毒素やミネラルにはどんなものがあるか、以下に挙げます。
 

1、残留性有機汚染物質

その例として、各種の溶剤、燻蒸剤、殺虫剤などがあります。

ある臨床研究では、被験者の汗のサンプルには、DDT、エンドスルファン、メトキシクロル、エンドリンといった殺虫剤などに使われる一連の毒素が含まれていたことが分かりました。

このことは、よく発汗することが体内毒素を減少させる有効な方法であることを示唆しています。

また、汗のサンプルに含まれていたDDT、メトキシクロール、エンドリンなどの殺虫剤は、同じ被験者から採取した血液や尿のサンプルには含まれていませんでした。このことは、これらの殺虫剤は、発汗によってのみ排出されることを示しています。

2、フタル酸エステル

多くのプラスチック製品に含まれるフタル酸エステルは、人体の正常な内分泌を妨げる有毒化学物質です。

ある研究によると、研究者が20人の被験者の血液、汗、尿のサンプルを検査したところ、すべての被験者のサンプルにおいて、フタル酸エステルの汗中濃度は尿中濃度の2倍以上であることが分かりました。

これは、発汗が、この化合物を排出する最も効果的な方法である可能性を示唆しています。
 

3、重金属

ある研究によると、尿中に含まれる重金属と比べて、汗中のカドミウムは約24倍、ニッケルは19倍、鉛は16倍、アルミニウムは3倍近くも高いことが報告されています。

同研究では、調査した18種の重金属のうち14種は、尿よりも汗のほうが、より効果的に排出できていました。

また、その18種の重金属のうち16種は、血液サンプルよりも汗中に多く含まれていたのです。18種の金属のなかで、アルミニウムは汗中の含有量が最も高く、亜鉛、銅およびニッケルも汗中の含有量が比較的高かったと言います。
 

4、ビスフェノールA

カナダ・アルバータ大学の研究者らが、20人の被験者の血液、尿、汗を分析し、缶詰食品やペットボトルなどに含まれる内分泌かく乱物質の一種であるビスフェノールA (BPA)について分析しました。

採取した20の汗サンプルのうち、 16のサンプルにBPAが含まれていました。
同じくBPAについて、尿から陽性反応がでたのは 14のサンプル、血液では2つのサンプルだけでした。

このことは、発汗が体内に蓄積したBPA を排出する最も効果的な方法であることを示すとともに、血液中または尿中のBPAレベルだけを検査しても、身体の真の健康状態を把握できない可能性を示唆しています。
 

(次稿に続く)

(文・GreenMedInfo/翻訳編集・鳥飼聡)