米海軍が「エーブラハム・リンカーン」(写真)を中心とする空母打撃群を日本海の朝鮮半島近海に配置したことが、米政府当局者の話で明らかになった。写真は1月3日、米サンディエゴで撮影(2022年 ロイター/Mike Blake)

朝鮮半島近海に米空母群、北朝鮮情勢巡り緊張

[ワシントン/ソウル 12日 ロイター] – 米海軍が「エーブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群を日本海の朝鮮半島近海に配置したことが、米政府当局者の話で明らかになった。韓国メディアは北朝鮮のミサイル発射実験を巡る緊張を受け派遣されたと報じた。

米当局者によると、日本の自衛隊と演習を実施するために日本海に入った。地域の同盟国やパートナー国に安心感を与える狙いがあるという。米政府内では北朝鮮が近く地下核実験を実施する可能性に懸念が強まっている。

米空母群が日韓の海域に派遣されたのは2017年以来。

韓国の聯合ニュースは、エーブラハム・リンカーンが同海域で3─5日間活動すると報じた。

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