2022年4月17日、韓国ソウルのソウル駅で、北朝鮮が新たに開発した戦術誘導兵器を試射したことを報じるニュース番組(Chung Sung-Jun/Getty Images)

北朝鮮ミサイル、EEZへの飛来なし 種類は分析中=防衛省

防衛省は17日、北朝鮮が昨日16日に「何らかのミサイルを発射したと考えられる」と発表した。ミサイルの弾種等については引き続き情報収集・分析中という。日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への弾道ミサイル等の飛来は確認されていないとした。北朝鮮国営メディアは、金正恩氏の視察のもと「新型戦術誘導兵器」の発射実験を行ったと報じている。

韓国合同参謀部によれば、北朝鮮は昨日、東部の咸興付近から東方の海に向けて飛翔体2発を発射した。最大速度マッハ4、約110キロを飛行し、高度25キロだった。

北朝鮮の機関紙「労働新聞」によれば、今回の実験は「戦術核作戦の有効性と火力任務の多様化」の強化を目指しているという。カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ上級研究員は、発射されたのは短距離弾道ミサイルであり、同国初の戦術核兵器発射システムの可能性が高いとの分析をツイートしている。

北朝鮮は15日に金日成主席生誕110年を迎え、首都平壌で大規模なパレードを行なった。先月に続いて大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験または核実験などを強行するとの見方が強まり、日米ほか周辺国は警戒を強めていた。

元防衛相の小野寺五典衆院議員は「生誕記念日に弾道ミサイル発射を繰り返してきた。しかし、今回は米空母と自衛隊の日本海での日米合同訓練 を意識してか、誘導弾にとどめた可能性」があると自身のツイッターで指摘。この点から「日米連携は抑止に繋がる」と強調した。

11日以降、エイブラハムリンカーン米空母打撃群が5年ぶりに日本海に配備され、15日までに海上自衛隊と対艦攻撃訓練を含む共同訓練を行った。18日からは米空母打撃群も加えた米韓共同訓練が始まる。

北朝鮮は近年、米国や同盟国の日本や韓国との間で緊張を高める動きを続けている。金正恩氏は党トップ就任10年を数える11日に憲法を改正し「核保有国」と明記し、核ミサイル開発を推し進める姿勢を示した。昨年1月の第8回朝鮮労働大会でも、戦術核兵器の開発を明言していた。

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