アジアでは何千年も前から、ごまやごま油が料理に使われてきました。 (Chamille White/Shutterstock)

ゴマは肝臓を守る働きがあります

ゴマは地球上で最も癒し効果の高い食品の一つです。何千年もの間、伝統的な民族は食用や薬として利用してきました。漢方医は、この古代の食べ物が、現代の医薬品によってもたらされる肝障害を緩和するのに役立つと信じています。

肝毒性とは、化学物質によって引き起こされる肝障害のことです。この問題は、明らかに薬の使用と関係があります。肝臓は、化学的に有害な物質を体外に排出する働きがあるため、特に薬によるダメージを受けやすいのです。

正しい用法・用量で使用しても、肝臓に毒性を示す薬は数百種類にのぼります。これが、一部の医薬品が市場から姿を消した第一の理由であります。

「Journal of the Chinese Medical Association」の論文によると、世界は「肝臓を保護する薬が切実に必要」であるとされています。また、小さなゴマとその油が肝臓を保護することができると書かれています。

ごま油には、セサミンという抗炎症作用のあるリグナンが豊富に含まれています。リグナンは、多くの種子、果物、野菜に含まれるポリフェノールです。

健康に良いことで知られるセサミンは、以下のような特徴があります。

・コレステロールを下げる

・血圧を下げる

・抗がん作用が期待される

・アンチエイジング

・免疫系調節

・血糖値低下作用

・抗血栓剤

・酸化防止剤

また、セサミンはアルコールや薬物によるダメージから肝臓を保護する可能性があります。台湾と日本におけるいくつかの動物実験では、セサミオイルが肝臓の酸化ストレスを軽減することが示されています。

パラセタモールは肝臓に蓄えられている強力な抗酸化物質、グルタチオンを減少させますが、セサミオイルはそのパラセタモールの有害な作用を打ち消すことが示されています。セサミンは細胞内のグルタチオンレベルを維持することでこのダメージから身を守ることができるのです。また、セサミンはフリーラジカルレベルを下げ、脂肪の酸化を抑制します。

セサミンは、解熱鎮痛剤タイレノールなどのアセトアミノフェンを含む鎮痛剤による肝障害に対抗するだけでなく、より良い鎮痛効果を発揮します。以前、GreenMedInfo(代替医療ポータルサイト)では、膝関節炎患者の痛みを和らげるのに、ゴマ40g(ゴマペースト大さじ2杯程度)の摂取がタイレノールよりも効果的であったと報告されています。

48人の健康な日本人を対象とした盲検プラセボ対照並行群間比較試験では、セサミンの経口摂取は安全かつ良好な忍容性を示すことが示されました。

ごまやごま油は、数千年前からアジアを中心に料理に使われてきました。

ゴマは、科学的にはジマと呼ばれる熱帯植物が原料で、おそらくアフリカ原産であると考えられます。 現在では、主にインド、中国、メキシコで栽培されています。カリブ海諸国や米国南部では、ゴマをアフリカ名のベンネと呼ぶことが多く、黒、白、黄、赤の4色があります。種子のサヤで成長し、成熟すると破裂します。これは、「千夜一夜物語」に登場する「開けゴマ!」という魔法の呪文の由来と言われています。

ゴマの健康効果は数知れず。銅、カルシウム、マグネシウム、マンガン、リン、ビタミンB1(チアミン)、亜鉛などが豊富に含まれています。ゴマはそのまま食べてもいいし、すりつぶしてゴマペーストにしたり、搾ってゴマ油にしたりすることもできます。ごま油は多価不飽和脂肪酸を含み、オメガ3脂肪酸を摂取することができます。

ごま油の豊かな風味は、ニンニクやショウガと相性が良く、炒め物にも使えます。抗酸化作用が高いため、ごま油はほとんどが食用に使われています。ごま油を調理に使う場合は、化学的な処理をしていない未精製のごま油を使いましょう。

炒ったごまの油は調理に使わないでください。圧搾前に焙煎されたゴマは、深い黄金色で、ナッツのような強い香りがします。この油は未精製のごま油よりも煙点が低く、加熱すると分解してしまいます。ソースやマリネをより濃厚にするための、最後のひと掛けとしてお使いください。

著者について:GreenMedInfo研究グループは、今日の重要な健康・環境問題を調査することに専念しています。

この記事はGreenMedInfoに掲載されたもので、「The Epoch Times」の許可を得て転載しています。

(翻訳・里見雨禾)

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