オランダに亡命した中国反体制活動家・高志氏の家族がタイで現地警察によって拘束されたことがわかった。高氏は中国へ強制送還される危機に直面する家族3人(妻・息子・娘)の救出を国際社会によびかけている。イメージ画像。(Shutterstock)

「スマホは体から離して眠りましょう」あなたを電磁波から守るために(1)

今では、私たちの仕事や生活に不可欠なツールになっている携帯電話タブレットパソコンなどの電子機器。

しかし、以前から指摘されているように、それらの機器から発せられる電磁波が、人の健康を損ねる可能性は否定できません。

 

本当にある「電磁波での健康被害」

ピーター・サリヴァン(Peter Sullivan)氏は以前、こうした機器の熱烈なファンでしたが、今では、かつてあれほど多く使ってきたハイテク機器を極力使わないようにしています。

シリコンバレーのスタンフォード大学を卒業し、後にソフトウェア・デザイナーになったサリヴァン氏は、まさに時代の最先端を生きた人物でした。

サリヴァン氏は、無線LANなどのワイヤレス技術を最も初期から採用した一人でした。

しかし彼は、当時の多くの人が携帯電話やパソコンなどから発せられる電磁波と健康との関係を知る前に、それを原因とする「病気」で健康を損ねて倒れたのです。

彼の病気は、現在では電気過敏症と呼ばれているもので、無線放射線(電磁波)被曝が原因です。この辛い実体験は、サリヴァン氏にもっと多くの真実を探求することを促しました。

機器を販売する通信業界は、「携帯電話から放出されるマイクロ波の放射線レベルは安全だ」と主張しています。しかし、サリヴァン氏は、そうではないことを示す有力な証拠を発見し、複数のトップクラスの科学者から多くの証言を得ました。

サリヴァン氏は、こうした科学者たちのインタビューを、2017年に自身が制作した『Generation Zapped(Dangers Of Wireless Technology)』というドキュメンタリーに収めています。題名は「ワイヤレステクノロジーの危険性」です。

(このドキュメンタリーは、こちらから)

 

恐ろしい「原因不明の不調」

もとは米海軍のパイロットだったサリヴァン氏は、除隊後もマラソントライアスロンで体を鍛えており、決して体力の乏しい人ではありませんでした。

その彼が、シリコンバレーの第一線で働き、大量の電磁波にさらされる日々を送っていたところ、体に不可解な症状が次々と現れたのです。

とにかく、原因不明の体調不良になりました。

はじめは、食事のなかに食物アレルギーの原因があるか、あるいは水銀などの重金属が含まれていたかと思い、各種のデトックス(解毒)と食事の改善を試みましたが、なんの効果もありませんでした。

あらゆる治療を試みましたが、健康状態は悪くなる一方です。やがて、歯が欠け、どんどん痩せていきました。頭の思考力も損なわれて、何をするにも集中できなくなりました。そうしてサリヴァン氏は、精神的にも非常に追い詰められていったのです。

「携帯電話を耳に当てるだけで、なぜか気分が悪くなる。私の病気は、そこまで進行していました」

サリヴァン氏は、病気の原因が全く分からなかった当時を回想しながら、今まさに、そのように語ります。

ピーター・サリヴァン氏は、かつてシリコンバレーで最先端の科学技術研究に携わっていたとき、突然病に倒れました。(Shutterstock)

 

カルシウムチャネルに起きる異変

ワシントン州立大学の生物化学および基礎医学の名誉教授、マーティン・バウアー博士は、これらの機器から放射される電磁波の周波数と場(電場と磁場)が、人間の細胞のカルシウムチャネルに影響を与えることを発見しました。

カルシウムチャネルは、カルシウムイオンを選択的に透過する機能をもつイオンチャネルの1つです。

さらに、カルシウムチャネルは脳の発育、人体の免疫系、T細胞機能、血液脳関門、腸脳関門の基礎となるものですので、それは確かに、電磁波による人体への悪影響を考察する上での核心的要素の1つであると言えます。

自閉症を発症する第一の危険因子は、カルシウムチャネル変異であると言われています。

双子を対象とした研究から、自閉症の遺伝的成分は38%程度で、残りは環境要因であることが分かっています。そこで自閉症の研究者は、カルシウムチャネルに影響を与える可能性のある環境要因を探しています。

そのほか、カルシウムチャネル機能の変異は、多動性疾患、うつ病、不安症、および統合失調症などのリスク増大にも関連するとされています。

正常なカルシウムチャネル機能を持つ人でも、強い電磁波の被曝があれば、電気的感受性が高まることがあります。しかもある時点で過負荷となり、特に5 G(第5世代移動通信システム)のような新しい機器を使い始めた場合は、そのリスクも高くなると考えられます。

(次稿へ続く)

 

(文・Conan Milner/翻訳編集・鳥飼聡)

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