カリフォルニアの書店に並ぶ書籍、参考写真 (John Fredricks/The Epoch Times)

米保険大手、トランスジェンダー本の収集と寄贈を奨励…批判高まりキャンペーン停止

米自動車保険大手ステートファームが幼児向けトランスジェンダー本を公共施設や学校図書として寄贈するよう数百人の従業員に対して奨励していた事案で、同社は5月24日、世論やメディアの批判を受けてキャンペーンの停止を発表した。

ことの発端は内部告発者が漏洩させた同社幹部による1月18日付のメールだ。同社はトランスジェンダーの若者支援団体であるジェンダークール・プロジェクトと提携し、「トランスジェンダー、インクルーシブノンバイナリー」に関する書籍の収集と寄贈により「教室、コミュニティセンター、図書館の本棚」を多様化するキャンペーンを行っていることが明らかにされた。

このメールは同社企業責任アナリストであるホセ・ソト氏が書き、フロリダ州の保険代理人に送付された。「このプロジェクトの目標は、LGBTQ+の蔵書を増やし、5歳以上の子どもたちと挑戦的で重要な会話ができるようコミュニティを支援することだ」とソト氏は記している。

このプロジェクトが推奨している3冊の本のうちの1冊が、「A Kids Book About Being Transgender」で、「トランスジェンダー・キッズ」についての「混乱、懐疑、懸念、偏見を振り払うよう」、5歳児から読み聞かせようとするものである。この本は、性自認と身体的な性が違っている子供たちの感情は挑戦よりも容認されるべきものだと主張している。

ソト氏はメールの中で「3月中に本を受け取り、4月末までに自分のコミュニティに寄贈する」というプログラムに、フロリダ州同社の保険代理店6つが、ボランティア参加するよう依頼したということである。

「成功の鍵は代理店が握っている。約550の代理店と従業員はこの3冊の本の束を地元の教師、コミュニティセンター、図書館に寄贈する」とメールには書かれていた。

さらに、代理店には、「わが社が多様性の取り組みを推進していること」をSNSで強調するよう奨励しており、これがLGBTQ+のコミュニティを支援し、私たちの周りの世界をより良くする方法だとも。

この件を最初に報じたワシントン・イグザミナーに対して、ステートファームは、「あくまでも自主的なプログラムである。わが社が多様性と包摂を受け入れるのは、それが正しいことだからだ。私たちは、さまざまな組織や大義と協力し、市民レベルで困難なテーマについてオープンに対話をしていきたい」と述べている。

反発高まり…契約解消

教育現場への介入になるとの批判的報道が相次ぎ、ステートファームには反発が高まった。このため同社は今月24日、ジェンダークールとの提携を解消し、書籍の収集や寄付活動を停止するとの声明を発表した。

同社は多様性と包括性への支援を続けるが「この会話は家庭で親と一緒に行うべきもので、学校のカリキュラムとして義務付けられていることを支持しない」と述べた。

ジェンダークール・プロジェクトは、自らを 「世界にポジティブな変化をもたらす若者主導の運動」と表現している。ジェンダークールは、ステートファーム以外にも、ナイキやオラクルなどの著名企業をパートナー企業として挙げている。同団体によると、講演会、メンタープログラム、DEI/HRコンサルティング、トランスジェンダー・キッズの親へのアドバイスなど、「6つのパワフルな方法」でパートナーと関わっているという。

(翻訳・大室誠)

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